小田急、MaaSアプリ「EMot」サービスイン 新百合ヶ丘・新宿エリアで実証実験
小田急電鉄は、10月30日に同社の共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したアプリ「EMot」をサービスインした。あわせて新百合ヶ丘・新宿エリアで「郊外型MaaS」「MaaS×生活サービス」の実証実験を行う。
小田急電鉄は、10月30日に同社の共通データ基盤「MaaS Japan」を活用したアプリ「EMot(エモット)」をサービスインした。iOS版が先行ダウンロードとなり、Android版は順次公開となる予定。
本アプリではタクシー、シェアサイクルなどをはじめ、保有している定期券、電子チケットを考慮した経路検索ができる。経路検索結果と連携したサイトへの遷移やモビリティの予約と決済にも対応し、フリーパスや特典など電子チケットの発行も行う。アプリのダウンロードは無料で、電子チケットを購入する際は別途料金が発生する。
これに合わせて実証実験を開始する。一部は国土交通省の新モビリティサービス推進事業「先行モデル事業」の「神奈川県における郊外・観光一体型MaaS実証実験」として神奈川県川崎市と箱根町と連携して行うもので、アプリをダウンロードすれば誰でも参加できる。
新百合ヶ丘エリアでの「郊外型MaaS」では、商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」で2500円以上(税込み)の買い物をしたユーザーを対象に、新百合ヶ丘駅を発着する小田急バスの往復無料チケットを発行する。期間は2020年3月10日までを予定。
新宿・新百合ヶ丘エリアでの「MaaS×生活サービス」では、新宿・新百合ヶ丘駅構内の「おだむすび」「箱根そば」「HOKUSO」いずれかの店舗で1日1回利用できる定額制チケット(購入日から30日間有効の10日券/30日券)を販売。期間は2020年3月29日までを予定する。
箱根エリアでの「観光型MaaS」は、箱根エリアの交通サービスが自由に乗り降りでき、箱根周辺の温泉や観光施設など約70スポットが優待・割引料金になる「デジタル箱根フリーパス」を販売する。期間は2020年3月10日までを予定しているが、台風19号の影響による箱根の交通機関の状況を踏まえて開始時期は延期としている。
さらに、連携する遠州鉄道が発行する「遠鉄ぶらりきっぷ」「HAMANAKO RAIL PASS」など6つの企画乗車券も販売する。
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