“祭り”ならず? 「iPhone 11」シリーズの売れ行きがイマイチに見えてしまう3つの理由:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(1/2 ページ)
9月といえば新型iPhoneの発売です。しかし、今年(2019年)は特にそこまで盛り上がっているように見えません。一体なぜなのでしょうか。店舗スタッフやユーザーから話を聞きつつ考えました。
例年通り、2019年も「iPhone」に新モデルが登場しました。「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」に「iPhone 11 Pro Max」です。
特に不満を覚えないこともあり、筆者自身は2018年に発売された「iPhone XS」を継続して使うつもりでした。しかし、そのカラーバリエーションと、他のAndroidスマートフォンを通して楽しさを知った超広角カメラに引かれて、予定外ではありますがグリーンのiPhone 11を発売日に購入してしまいました。
おととし(2017年)と去年(2018年)は、店頭の混雑を避けるためにオンラインで購入しましたが、ポイントがたくさんたまっていたこともあり、今年(2019年)は発売日当日に都内の家電量販店で購入しました。
数年ぶりの店頭購入。店はさぞかし盛り上がっているだろう……と思いきや、その様子は筆者が店員として体験してきたものとほど遠いものでした。
今回の「元ベテラン店員が教える『そこんとこ』」は、今年のiPhone発売日が例年と「違う」ように見える理由を考えていきます。
「ガラガラ」だった店頭 たまたま?
今年のiPhone発売日の店頭は、簡単にいってしまうと「ガラガラ」でした。
新型iPhoneの発売日とその後の数日間は、「春商戦」や「年末商戦」に並ぶ商戦期です。筆者が店員として店頭に立っていた頃は「準備が大変」「発売からしばらくの間は休憩も満足にとれない」という、とにかく苦労の多い“イベント期間”でした。
スマートフォン自体の値上げ傾向と総務省による規制強化によって、昨今の携帯電話市場は以前ほど契約が取れない(売れない)状態であることは火を見るよりも明らかです。それでも、筆者は「iPhoneの発売日ぐらいは待たされるのだろうなぁ」と考え、iPhone 11の発売日は店へ早めに行きました。
しかし、店頭では待ち時間なくカウンターへ通され、1時間もかからずに会計まで終わってしまいました。「ガラガラ」な店頭と変わりない所要時間だったのです。
思わず、担当してくださったスタッフに「iPhone、あまり売れてないんですか?」と尋ねた所、「売れてはいるけれど、予想していたほどではなく、予約も少なかった」とのこと。
たまたま、この店だけがこのような状況なのか――気になった筆者は、数日掛けて店舗スタッフやユーザーを聞いてみることにしました。
関連記事
- 端末割引の上限は2万円 スマホの売れ行きはどうなる?
総務省が電気通信事業法の改正内容に合わせた省令改正を進めています。この省令改正の要点の1つである「端末割引の上限2万円」は、販売現場にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は“スマートフォン(端末)の販売”という観点から販売スタッフの話を聞きます。 - 「解約金1000円まで」「機種代金の割引2万円まで」 本当に“乗り換え”は盛んになるのか?
改正電気通信事業法が制定され、それに伴う新しい総務省令が今年(2019年)の秋に施行される予定です。目玉は「解約金1000円まで」「機種代金の割引2万円まで」ですが、これでMNP(乗り換え)は活発なのでしょうか……? - 携帯電話の「オプション契約」 気を付けるべき点は?
携帯電話の購入時、店員からさまざまなオプション契約をお願いされることがあります。一方で、このようなお願いをしないことをウリとする店舗も増えています。そんな中、付けられたオプションの解約、あるいはオプションの未加入による「トラブル」も見受けられます。どういうことなのでしょうか。 - 「iPhone売らないとヤバい」――元店員が振り返る、重い「販売ノルマ」
ケータイショップは「iPhone依存症」に陥っている? - iPhone発売の“祭り”を支えるケータイショップ店員の数日間
元ケータイショップ店員が、iPhone発売時の店員の忙しさを振り返る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.