フリマアプリでの中古スマホ流通にも基準を セット販売による値引きも警戒――総務省の研究会(1/2 ページ)
総務省が12月2日に有識者会議「モバイル市場の競争環境に関する研究会」の第21回会合を開催。中古端末の流通に関して、新たにネットオークションやフリマアプリなどでの取引に関する問題点が指摘された。携帯電話の料金に関する今後の取り組みの方向性に関する議論も行われた。
総務省は2019年12月2日に有識者会議「モバイル市場の競争環境に関する研究会」の第21回会合を実施。中古端末の流通に関して、新たにネットオークションやフリマアプリなどでの取引に関する問題提起がなされた他、携帯電話の料金に関する今後の取り組みの方向性に関する議論がなされた。
中古端末流通拡大のためC2Cの動向に注目
今回大きなテーマの1つとなったのは、中古端末の流通に関して。総務省の調査によると、中古端末は携帯電話会社による下取りが約640万台、中古端末取扱事業者による買い取りが約178万台なされている他、最近ではネットオークションやフリマアプリなど、消費者間で売買ができる「C2Cプラットフォーム」による流通も増えてきているという。
一方で、利用している端末の処分方法に関してアンケートを取ったところ、これらの方法による下取りや売却による処分は合計で26.25%にとどまる一方、「自ら破棄・保管」という回答が56.9%に達しており、依然として退蔵状態にあると総務省は評価。そうした中古端末を市場に流通させ、売買を活性化する必要があるとした。
そこで今回着目したのが、伸びが見られるC2Cプラットフォームでの取引に関してである。総務省が国内の主要なC2Cプラットフォーム「ヤフオク!」「メルカリ」「ラクマ」における携帯電話の出品ガイドラインを確認したところ、いずれもネットワーク利用制限が掛かっている端末を出品しない、問題がある品が出品された場合は運営側で削除したりアカウントのロックをかけたりと、安心して取引できるようさまざまな対処はなされているものの、統一されたガイドラインがないので対応に差が見られる部分もあるという。
そうしたことから、「C2Cの現場でもかなり端末が出回っているが、利用者情報の商況に関する取り組みが遅れているのではないか」(情報通信ネットワークの長田三紀氏)「C2Cとはいえ、一定の尊厳を持ってしっかりやってもらうことを、行政にも認識してもらうことが重要だと思う」(東京大学 公共政策大学院 大学院経済学研究科 教授の大橋弘氏)など、ユーザーに不利益が出ない範囲で何らかの枠組みを作る必要性があるとの意見が構成員から挙がった。総務省によると、プラットフォーム各社とも改善すべきところは改善すべきとの意向を示しているとのことで、今後の議論によって何らかのガイドライン整備が進められる可能性がある。
一方、リユースモバイル関連ガイドライン検討会の座長である粟津浜一氏は、現在リユースモバイル・ジャパン(RMJ)と携帯端末登録修理協議会(MRR)によって定められている「リユースモバイル関連ガイドライン」について説明した。
粟津氏によると、中古端末市場は年々右肩上がりで伸びており、2020年には300万台を超える規模に拡大すると予測されている。一方で、中古端末を利用したくない理由として、バッテリーの持ちの悪さを懸念する意見が59%、動作に不安があるとの意見が46.2%と、安心して使えるかを懸念する意見が増えているという。
そこで同検討会では、中古端末を安心して利用できるようにするためのガイドライン整備を進めている。2019年11月28日に発表した第2版のガイドラインでは、消費者の懸念が強いバッテリー状態の確認とその結果表示を推奨する他、ネットワーク利用制限に関しては動作保証と別の保証を付けることを推奨する取り組みも進めた。
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