4月に開始 料金は「余裕をもって発表」――楽天モバイルのMNOサービスはどうなる?(2/3 ページ)
楽天モバイルが4月にMNOサービスの本格スタートを明言。それに先だって、無料サポータープログラムの2次募集を開始した。この記事では、同プログラムの現況と、MNOサービスの本格スタートに向けた取り組みを簡単にまとめた。
本格商用サービスに向けて品質改善を実施
無料サポータープログラムの参加者からの声は、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもある。ただ、基本的には「月を追うごとにユーザー満足度は上昇する傾向にある」(山田社長)という。
その要因の1つとして、本格的な商用サービス開始に向けた設備の整備にあると思われる。同社が自前設置する屋外基地局は、無料サポータープログラムを開始した2020年10月時点では2000局を割る状況だった。しかし順次増強を進めた結果、2020年1月23日現在において3020局まで増えたとのことだ。
同社が総務省に提出した開設計画では、2020年3月までに基地局を3432局を整備するとしていたが、同月までにそれを上回る4400局まで増える見込みとのことだ。その結果、現在自社でサービスを提供している東京、大阪、名古屋の都市圏における屋外エリアは開始当初よりも広がっている。エリア化の状況はWebサイトで確認できる。
東京23区内、大阪市内、神戸市内と名古屋市内については、屋外のエリア化が進んでいる一方、屋内についてはつながりにくい場所がある。無料サポータープログラムのユーザーから、自宅ではつながりにくいという申告を受けることもあるという。
そこで、屋内に設置できるフェムトセル基地局(※)として「Rakuten Casa」を提供すべく準備を進めているという。設置場所に光インターネット回線があれば設置可能で、Wi-Fi(無線LAN)ルーターとしての機能も備えている。
(※)自宅や店舗など、ごくごく小さい範囲をエリア化するための基地局。屋外基地局からの電波を増幅する「リピーター」では品質的に不十分な場合に設置されることが多い。ただし、あくまでも“基地局”なので、設置には所定の手続きが必要で、置く場所を移動する際も手続きが必要な場合がある
ただ、自社エリアの拡大はそれなりに時間がかかる。そこでau(KDDIと沖縄セルラー電話)とのローミングでエリアを補完しているが(参考記事)、現時点ではローミング方式の問題で自社エリアからauエリアに移ると通信が途切れてしまう。これでは快適とはいえない面もある。
そこで、4月をめどにローミング方式を変更し(参考記事)、エリアをまたぐ利用時も通信を継続できるように改める。これにより、特に音声通話時の品質向上が期待できる。
楽天モバイルでは、今後も継続的に通信品質の改善に努めていくという。
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