「AQUOS zero2」レビュー 軽さからゲーミング性能、カメラまでを検証(2/3 ページ)
シャープの「AQUOS zero2」は、高いスペックを持ちながら、141gという軽さを実現したモデルだ。ドコモ、au、ソフトバンクの3社に加えて、3月13日からはDSDVに対応したSIMロックフリー版も発売された。持ち心地やスペック、カメラ、パフォーマンスなどをチェックした。
強化されたゲーミング性能とスペックをチェック
AQUOS zero2は高い処理性能だけでなく、シャープ製端末でこれまであまり力を入れられてこなかったゲーミング機能が大幅に強化された。注目は4倍速表示の有機ELディスプレイとゲーミング設定だ。
4倍速表示の有機ELディスプレイは通常秒間60回表示のところを、最大で秒間240回表示に対応する。240回表示の内訳は、秒間最大120コマ表示のゲーム対応に加えて、各コマの間に目の残像感を軽減する黒い帯のフレームを挿入するというもの。ハイエンドのテレビやゲーミングディスプレイで搭載されている、いわゆる黒挿入という機能を搭載している。
4倍速表示の「ハイレスポンスモード」を有効にした状態。通常は目に見えないが、高速シャッターで撮影すると画面表示のコマとコマの間に一瞬だけ、目の残像感を軽減する黒い帯が表示される(表示ゲームはPUBG Mobile)
この黒挿入は、一般的な60コマ表示のゲームアプリでも120コマ表示対応のゲームでも有効で、TPSやFPSのゲームでは画面のスクロールが滑らかになる。さらに、タッチパネルのスキャン間隔も秒間240回周期と細かくなっているので、音楽リズムゲームでは譜面のタッチ判定がより納得しやすいものになる他、黒挿入のおかげで譜面スクロールのブレも少ないように見えた。
ゲーミング設定はこれら4倍速表示とタッチ操作の反応を高速化する「ハイレスポンスモード」の他、ゲーム中の通知ブロックや画質設定、内蔵マイクも利用できる画面録画といった機能を搭載する。これらの設定は指定したアプリの操作中だけ有効になる。
また、ゲーム中の「ゲーミング設定」の変更は、画面を上から下にスワイプして表示する通知パネルから操作できる。画面上に邪魔なアイコンが表示されないのは便利だ。
性能に直結するスペックも見ていこう。各社最新のハイエンドAndroidスマホで採用されているプロセッサのSnapdragon 855や、8GBのメインメモリを搭載。ストレージ容量は256GBだ。現在のスマホ向けゲームでは、快適に遊べないゲームはほぼないといっていいだろう。
ゲーミング機能に関しては、イヤフォン端子が本体に内蔵されていない、表示フレームレートのリアルタイム表示やリアルタイム配信機能がないなど、不便な点もいくつか見られる。ただ、今回の改善でディスプレイ表示は他社を超えるレベルとなり、ゲーミング機能も他社のハイエンドスマホに近い便利さを手に入れた。今後の機能強化にも期待したい。
カメラは最新ハイエンドと比べると夜景がいまひとつ
カメラは1220万画素でF値が1.7、光学手ブレ補正対応の広角カメラと、2010万画素の超広角カメラを搭載。スペックだけを見ると最近の流行を追えている。
ただ、現在の同価格帯の最新ハイエンドスマホにある、夜景を明るくロ―ノイズで撮れる撮影モードや、背景ぼかしのポートレートをより楽しむフィルター系の機能が搭載されていない。
日中屋外や屋内では十分キレイに撮れるし、8万円台のハイエンドスマホとしては低価格帯のスマホと比べてワンランク上の画質で撮影できる。ただ、他社のここ2年ほどの同価格帯ハイエンドに、撮影シーンの拡大という点で追い付けていないのは気になった。
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