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auのポイントに「Ponta」を取り込む狙いは? 課題はオンライン決済か石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

5月21日に、auのポイントプログラムがPontaに統合された。従来のau WALLETポイントは廃止になり、今後は、携帯電話回線の通信費や各種サービス利用料からの還元も、Pontaで行われる。ポイントプログラムを刷新したKDDIの狙いは会員基盤の強化にある。その詳細を見ていこう。

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スーパーアプリ化にはオンライン決済が課題か、機能強化は続く

 一方で、au PAYカードでの利用には、都度チャージが必要になる。au PAYは、じぶん銀行の口座を登録した場合、一定金額を下回ったときに自動でチャージする「オートチャージ」が利用できるのに加え、足りない分の金額だけを口座から引き落とす「リアルタイムチャージ」にも対応しており、使い勝手がいい。特にリアルタイムチャージは、残高0円の場合、決済金額がそのままじぶん銀行の口座から引き落とされるため、実質的なデビットカードとして利用できる。au PAYカードによる「オートチャージの提供は秋口になる」(同)というが、少額決済に使う上では必須の機能といえそうだ。

 スーパーアプリ化を志向するau PAYだが、現時点では、オンライン決済への対応も完全ではなく、今後の課題といえる。現状では、au IDで「auかんたん決済」が利用でき、au PAY残高での支払いにも対応する。残高を共有しているという意味では実質的なau PAYのオンライン決済とも見なせるが、ブランドが統一されておらず、ユーザーにとっては分かりづらい。

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auかんたん決済でau PAY残高を利用できるため、実質的にはオンライン対応できているものの、使い勝手の改善やブランド統一が課題だ

 多田氏も、「口座がオンラインとデジタルで分割されてしまうのは、お客さま目線に立ったときにどうかという思いはある。急いでその対応は進めている」と明かす。競合を見ると、ドコモはd払いを開始した際に、コード決済を新たに追加するとともに、いわゆるキャリア決済として提供していた「ドコモケータイ払い」を統合しており、オンライン、オフラインの双方で利用できるようになった。キャリア決済が出自のため、対応店舗が多いのがメリットといえる。

 オンライン決済では、楽天ペイも対応店舗が多い。PayPayは、自社や自社グループのサービスを中心にオンライン決済を開始し、徐々に対応する店舗を増やしているところだ。オンライン決済に非対応なため、同時に発表された出前館やピザハットでの10%還元キャンペーンも、au PAYカードでの支払いに限定される。

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競合サービスは、オンライン決済も強化している。画像はLINE PayやPayPayに対応したUber Eats

 多田氏によると、オンライン決済への対応は「もう少し時間がかかるが、追って夏から秋口にかけてできるようにしたい」という。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、「行動様式としてあまり外出できないこともあり、オンラインへの移行が進んでいる。これが一過性かと言うと、一部でデジタルからリアルへのシフトというか融合が進んでいくと思っている」(同)というだけに、今後の機能強化にも期待したい。

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