「コストパフォーマンスを極めたい」 Xiaomiに聞く「Mi Note 10 Lite」「Redmi Note 9S」の狙い:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/2 ページ)
Xiaomiが、SIMロックフリースマートフォンの第2弾として送り出すのが、6月2日に正式発表される「Mi Note 10 Lite」と「Redmi Note 9S」だ。Mi Note 10 Liteは、日本参入第1弾となった「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」の廉価バージョン。対するRedmi Note 9Sは、よりコストパフォーマンスを追求したモデル。
なるべくいいものをミドルレンジの価格帯に持ち込む
―― 2機種ともややハイエンド寄りのミドルレンジで、ともにSnapdragon 700シリーズ(720Gと730G)を採用し、カメラもクアッドカメラです。2つのブランドに、どういうすみ分けがあるのでしょうか。
【訂正:2020年6月2日14時31分 初出時に、初出時に「ともにSnapdragon 720Gを採用」としていましたが、Mi Note 10 LiteはSnapdragon 730Gを搭載しているため、訂正致しました】
ワン氏 Xiaomiには2つのブランドがあり、1つがMiブランド、もう1つがRedmiブランドになります。Miシリーズについては、今回のMi Note 10 Liteもそうですが、性能だけでなく、デザインにも注力し、部材なども全ていいものを使っています。フレームにも金属を採用しています。
これに対し、Redmiシリーズはコストパフォーマンスを極めたいという思いで作っているモデルです。こちらは、全世界で最もコストパフォーマンスを高くしたいという思いで開発しているので、特に値段を見ていただければと思います。とはいえ、いくら安くても、決して悪い製品ではありません。使っていただければ、2つのブランドの違いがよく分かると思います。
―― 参入当初のMi Note 10、10 Proは、SIMロックフリースマホのボリュームゾーンからは価格帯が外れていました。まずは技術力を見てほしいというようなお話もうかがっていましたが、今回は市場を広げるタイミングになったということでしょうか。
ワン氏 トレンドとして、日本市場は高価格帯から低価格帯に移ると思っています。そこで考えていることは2つあります。1つが、なるべくいいものをミドルレンジの価格帯に持ち込むことです。例えば、Redmi Note 9SのTiny Dot DisplayやSnapdragon 720Gを、この価格帯で搭載した製品はありません。
もう1つが、ミドルレンジの価格帯に、最新製品を出していきたいということです。競合他社の戦略を見ると、過去の製品を値引きし、ミドルレンジの価格帯にして販売することがありますが、Xiaomiは最初から、新しい端末をアフォーダブルな(手頃な)価格で提供していきたいと考えています。
日本に進出してからauからの採用が決まった
―― 2019年12月に参入して約半年がたちましたが、この半年間を振り返っての自己評価をお聞かせください。
ワン氏 まず、販売台数ですが、当時の予測よりもよかったです。メディアやユーザーからも、いいフィードバックをいただいていますし、セールスチャネルからの評判も上々でした。コストパフォーマンスに注力するという戦略は、この半年間、うまくいったと思っています。
―― その間、KDDIの5GモデルとしてMi 10 Lite 5Gが採用されました。参入直後のメーカーの端末としては異例だと思いますが、この話があったからこそ、日本に上陸したのでしょうか。
ワン氏 なぜKDDIに採用されたかは、私たちには分からないので、ぜひKDDIに聞いてみてください。具体的な決め手が何だったのかは分かりませんが、(採用は)進出してからのことです。
キャリアに関しては、現状KDDIのみですが、他のキャリアとご一緒できる機会があれば、その時に共有させていただければと思います。(参入後は)各キャリアとも関係を持つようになりました。5Gでは、新しい機会を提供できる技術で、しかもその技術はあっという間に広がる可能性が高い。Xiaomiは、既に10台以上の5G対応スマートフォンを出していますが、そのラインアップの豊富さのおかげで、いろいろなキャリアと会話することが多くなっています。
―― 5Gスマートフォンは、SIMフリーでも展開されるのでしょうか。
ワン氏 今のところの計画では、KDDIと一緒に販売するMi 10 Lite 5Gだけです。
―― 最後に、参入後に日本法人ができたと聞いていますが、それが事実かどうか確認したいのと、その役割について教えてください。
ワン氏 はい。Xiaomi Japanを設立しました。日本法人は、現地の営業やマーケティング、サポートを構築していくのが役割です。日本法人は、Xiaomiの子会社の1つになります。効率的に物事を進められるよう、今は本社が日本法人をサポートしながら、日本市場への足掛かりを作っている段階です。直近の目標では、ビジネス的に日本法人が独立してほしいというビジョンもあります。
取材を終えて:Redmi Note 9Sが2万円台半ばならインパクトが高い
現時点では日本での販売価格は公表されていないが、ワン氏のコメントからは、海外での価格と大きな開きがないことがうかがえる。仮に2万円台半ばだとすると、Redmi Note 9Sは非常にインパクトの大きな端末になりそうだ。コストパフォーマのよさが評価されれば、取り扱うMVNOもさらに増えそうだ。一方で、新規参入メーカーだけに、やはり店頭で実機を触れてから購入を判断したいユーザーも少なくないだろう。店舗を持つMVNOや、家電量販店での販売にも期待したいところだ。
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