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新型コロナウイルスが国内の5Gに与えた影響、2020年後半の5Gはどうなる?5Gビジネスの神髄に迫る(2/2 ページ)

今なお感染拡大が続いている新型コロナウイルスは、国内でようやくサービスを開始した5Gにも暗い影を落とすこととなった。インフラよりも端末の販売に大きな影響を及ぼした。「低価格スマホ」と「iPhone」が5G普及のカギを握っているといえる。

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コロナ禍で見いだされつつあるNSAでの5G活用法

 では5Gのビジネス活用という側面で見た場合、コロナ禍がどのような影響を与えているのかというと、最も大きいのはデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速だろう。中でも新型コロナウイルス感染防止のため、テレワークなど働き方のデジタル化が求められるようになったことは、今後の企業における5G活用を見据えると非常に大きな変化となる可能性が高い。

 実際、緊急事態宣言で政府がテレワークを推奨するようになって以降、ビデオ会議サービスやVPNなどの利用が急拡大。働き方のデジタル化を推し進めるソリューションを求める企業が増加したことが、そうした商材を扱う携帯各社の業績を向上させる要因にもなっている。そこで携帯各社も企業のDXに対応するための体制構築を進めており、KDDIは自ら働き方のDXを進めるべく東京・虎ノ門に法人部門の新拠点を設立。ソフトバンクも「デジタルワーカー4000プロジェクト」を打ち出して社内業務のデジタル化による新しい働き方を推進している。

5G
ソフトバンクはコロナ禍を受けて法人事業のデジタル化を加速。ビデオ会議などオンラインによる商談が84%を占めるに至ったという

 そしてデジタルを前提とした働き方が定着すれば、ビデオ会議などで高速大容量通信を利用したいというニーズは高まってくると考えられる。現在それを支えているのは光などの固定回線だが、5Gのエリアが大きく広がれば、場所を選ばず高速大容量通信が可能なモバイル通信のニーズが大きく高まるだろう。

 しかもビデオ会議など大容量通信を主体とした用途であれば、現在のノンスタンドアロン(NSA)運用でも十分対応可能だ。5Gのビジネス活用といえばこれまでIoTや遠隔操作などが注目され、低遅延・多数同時接続などの利用が可能になるスタンドアロン(SA)運用が本命視されていたのだが、コロナ禍で働き方のDXが求められるようになったことにより、NSA環境下でも5Gを有効活用する手段が見えてきたといるだろう。

 実際ここ最近、一部キャリアで5G対応のWi-Fiルーターが品薄になっているとの話も耳にするようになった。今後テレワークなどを主体として、5Gのビジネス活用は急速に進むことになるかもしれない。

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シャープが携帯各社などに供給している5G対応のモバイルルーター。リモートワークなどの需要が高まることで、NSA環境下でも高速大容量通信が生かせるこうした端末の利用が増える可能性は高い
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