プラン刷新でiPhone SEも実質0円から 新生「J:COM MOBILE」の戦略を石川社長に聞く:MVNOに聞く(2/3 ページ)
ジュピターテレコムのMVNOサービス「J:COM MOBILE」が料金プランを刷新した。J:COM MOBILEでは高年齢層のユーザーが集中していたが、若年層にも広げるのが狙いだ。iPhoneの取り扱いからオンライン強化、政府の値下げ要請の影響まで、石川雄三社長に幅広く聞いた。
iPhone SEが実質0円でもコストは回収できる
―― 先ほど、料金プランが課題だったというお話ですが、どういった点が弱かったのでしょうか。
石川氏 0.5GBが主力でしたが、さすがに若い人だとそれでは無理ですよね(笑)。(市場平均では)5GBが1つの線になっているので、思い切って3GBから5GBに上げることにしました。それはよかったと思います。また、10GBプランでiPhone SEが実質無料になるのも、若い方にはウケると思っています。
―― 今回は、iPhone SEの提供が早かったですね。
石川氏 10月以降、MVNOで提供しているのはBIGLOBEモバイルとうちだけです(インタビュー後、LINEモバイルも販売を開始した)。MVNOは新端末の2世代前というのが暗黙のルールのようになっていましたが、今回はAppleも思い切ったと思います。iPhone SEは4月に出たばかりですからね。J:COM MOBILEは、iPhone 8をスキップしていたので、3世代ほど飛んだことになります。
―― 実質0円ですが、コストは回収できるのでしょうか。
石川氏 もちろんできます。実質価格は安いですが、10GBプランは2年目から3980円になりますから。パイプも(KDDIから借りる帯域幅に対する支払いも)お客さまが増えていけば統計多重効果が効き、効率がよくなります。そこは、さすがにちゃんと計算しています(笑)。
ただ、端末セットで980円のプラン(Galaxy A20を選択した場合)がありますが、これはテレビのお客さま向けです。呼ばれればすぐ行って、設定もして、しかも980円で端末まで付いてくる。これはちょっとやりすぎですね(笑)。全体の大きな枠組みの中のサービスだとご理解ください。
一番売れているのは1GBプラン
―― 1GBプランは容量が少ないですが、J:COMオンデマンドはゼロレーティングになります。ゼロレーティングも売りの1つでしたが、実際のところはいかがでしょうか。
石川氏 全体のトラフィックのボリュームからすると10%ぐらいで、それ以外でYouTubeを使われるといったことがあります。傾向としては、低容量プランに入っている方が、メリットを存分に生かしているようです。
―― J:COM LINKを使うと、モバイル回線経由で屋外からテレビを視聴できます。ここにゼロレーティングを適用するといった可能性はあるのでしょうか。
石川氏 そこは、ちょっと考えどころです。本当はそこまで行きたいのですが、もとが安いので……。MVNOの構造上、どうしてもキャリア(MNO)への支払いが発生しますからね。ネットワークがパンクすることより、そちらの方が心配です。ですから、10GBプラン、20GBプランをがんばっています。
―― 新料金プランを導入して、プラン選択の傾向は変わりましたか。
石川氏 実はまだ、一番売れているのは1GBプランです。やはり980円のインパクトは強烈です。ただ、10GBプランもいい線まで行っていて、20GBだと10%をちょっと切るぐらいですね。
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