携帯料金、サブブランドのみの値下げは「羊頭狗肉」 武田総務大臣が批判
武田良太総務大臣が、11月20日の会見で携帯料金値下げについて言及した。ソフトバンクとKDDIがサブブランドで新プランを発表したが、メインブランドで値下げをしないことを問題視。「形だけが割安なプランはまったく意味がない」と批判した。
武田良太総務大臣が、11月20日の会見で携帯料金値下げについて言及した。
政府の携帯料金値下げの要請に応えるべく、ソフトバンクは「Y!mobile」、KDDIは「UQ mobile」のサブブランドで、4000円前後の20GBプランを発表。これらは安価な大容量プランに位置付けられる。
武田氏は10月30日の会見で、サブブランドの新プランを契機に「事業者、ブランド問わず、利用者にとって魅力的な料金・サービスの選択肢が新たに出てくることは間違いない」と期待を寄せていたが、肝心のメインブランド(ソフトバンク、au)で値下げをしないことは「問題」とした。
「コロナ禍で地域経済が停滞する中で、家計の負担を考えたときに、携帯料金が下がったことを利用者の方が実感していただかないと、まったく意味がない。アクション・プラン発表後、サブブランドによる割安なプランが発表されて、確かに選択肢は増えたが、多くの利用者が契約しているメインブランドについては、まったく新しいプランは発表されていない。これが問題」(武田氏)
武田氏はさらに「羊頭狗肉という言葉が適切かは分からないが、『いろんなプランを作りました。後は利用者の方々次第ですよ』というのはあまりにも不親切ではないか。形だけが割安なプランが用意されたのではまったく意味がない」と批判した。携帯の料金プランについては「分かりにくさ」が問題点に指摘されていることもあり、「特にお年寄りについては、もっと分かりやすい丁寧なやり方を自ら考えてしかるべきだ」とした。
武田氏は「全てのみなさま方が低廉化の恩恵を享受するためには、事業主(キャリア)の皆さんにも協力してもらわないといけない」と話し、メインブランドでも値下げをすべきとの考えを示した。携帯料金の低廉化についてはモニタリングを継続し、負担軽減が進まなければ、「さらに一歩踏み込んだアクション・プランを作る準備をしている」と予告した。
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