Y!mobileとUQ mobileの20GBプランはどれだけお得? 大手キャリアやMVNOと比較してみた(1/2 ページ)
Y!mobileとUQ mobileが20GBの新料金プランを発表した。実際どれだけお得なのか。自社の既存プランに加え、3キャリアや主要MVNOも交えて比較してみた。20GBで十分という人にとっては非常に魅力的。MVNOのプランと比べても競争力がある。
ソフトバンクがY!mobile向け新料金プラン「シンプル20」、KDDIがUQ mobile向け新料金プラン「スマホプランV」を発表した。シンプル20は12月下旬、スマホプランVは2021年2月以降に提供開始する予定。月額4000円前後で20GBのデータ容量を含んでおり、政府の値下げ要請に応えたものだが、実際どれだけお得なのか。自社の既存プランに加え、3キャリアや主要MVNOも交えて比較してみた。
取り上げた料金プランについて、基本的にキャンペーンによる割引は考慮していない。またY!mobileとUQ mobileは5Gのサービスを提供していないため、ドコモ、au、ソフトバンクとの比較は4Gの料金プランを対象としている。
Y!mobileの料金プランで比較
Y!mobileは現在、スマホベーシックプランのS、M、Rを提供しており、月間のデータ容量はそれぞれ3GB、10GB、14GB。データ増量オプションが1年間無料で適用されることで、Sは4GB、Mは13GB、Rは17GBまで利用できる。月額料金は、6カ月間適用される「新規割」や家族割引などで、Sは1480円、Mは2480円、Rは3480円まで割り引かれる。
一方、シンプル20は期間限定の割引や家族割引、無料のデータ増量オプションはなく、文字通りシンプルな内容。月額4480円で20GBまでのデータ通信を利用できる。スマホベーシックプランではRと近く、Rよりデータ容量は多いが素の料金はシンプル20の方が安い。スマホベーシックプランRのユーザーは、6カ月間の割引が終わっているのなら、シンプル20に乗り換えた方がよさそうだ。
UQ mobileの料金プランで比較
UQ mobileの場合、月額1980円で3GBの「スマホプランS」、月額2980円で10GBの「スマホプランR」に、月額3980円で20GBのスマホプランVが加わり、料金体系としては分かりやすい。スマホプランRを利用しているが、もう少しデータ容量が欲しいという人に合うプランだ。なお、スマホプランSとRは通話オプションの加入とau IDの登録で、13カ月間データをそれぞれ+1GB、+2GB増量するキャンペーンを行っている。
Y!mobileとの違いは、10分かけ放題がオプションになっていること。シンプル20と比較すると、素の料金はスマホプランVの方が安いが、10分かけ放題を加えると月額4680円になってUQ mobileの方が高くなる。しかしスマホプランVは家族割を適用できるので、その場合は4180円となってUQ mobileの方が安くなる。
ソフトバンク、auの料金プランでそれぞれ比較
Y!mobileとUQ mobileのユーザーには、今回の新料金プランで選択肢が増えたわけだが、気になるのが、メインブランドであるソフトバンクとauのユーザーが、これらサブブランドの新プランに乗り換えるべきかという点だ。
まずはY!mobileのシンプル20を、ソフトバンクの「ミニフィットプラン」と「メリハリプラン」と比較する。段階制のミニフィットプランは1GBまでなら月額3980円でシンプル20より安いが、2GBだと5980円で高くなってしまう。ソフトバンク自身も料金プランのサイトで「1GB超は定額プラン(メリハリプラン)がお得です」と案内している通り、2GB以上使う時点でY!mobileも選択肢に入れるべきだろう。
メリハリプランは月額7480円で50GBまで利用できる。シンプル20より3000円高いが、3000円で+30GB使えると考えると、お得かもしれない。ただ、20GBで十分という人にはシンプル20の方が当然お得。しかもシンプル20は国内10分かけ放題が含まれており、低速時の速度も1Mbpsで済む(ソフトバンクは128kbpsまで下がる)。
auの「ピタットプラン 4G LTE」は、ソフトバンクのミニフィットプランよりも良心的な価格設定となっており、月額2980円〜5980円で7GBまで利用できる。しかし1GBを超えると4480円に達してしまい、UQ mobileのスマホプランVより高くなってしまう。単純に比較すれば、1GB以上データ通信をするならスマホプランVの方がお得だ。
auの無制限プラン「データMAX 4G LTE」は月額7480円なので、スマホプランVより3500円高い。この差にどれだけ価値を見いだせるかだが、20GBあれば十分という人にはスマホプランVは有力な選択肢になる。
20GBがちょうどいい人には魅力的な両プランだが、注意点もある。ソフトバンクからY!mobile、auからUQ mobileへの乗り換えはMNP扱いになり、MNPや新規契約の手数料、そして料金プランによっては更新月以外の解約だと解約料が発生する。解約料の9500円、MNPと新規契約の手数料3000円を合わせると、移行するだけで1万5500円ものコストがかかる。
Y!mobileからソフトバンク、UQ mobileからauに移行する際は、手数料を免除したり月額料金を割り引いたりするキャンペーンを実施している。サブブランドへ移行すると値下げになるのでキャンペーンは不要だろうが、せめて手数料は免除してほしいところ。なお、ソフトバンクとY!mobileは2021年春をめどにMNP手数料は撤廃する予定。
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