テレビ会議のお供に使いたい「オープンイヤーイヤフォン」 3モデルを試してみた(1/4 ページ)
新型コロナ下の現状、ビデオ通話用に、“ながら聴き”対応の「オープンイヤーイヤフォン」が注目を集めています。そこで、筆者も購入した3メーカーのモデルを試しました。
在宅勤務・テレワークなどで、ビデオ会議やグループ通話、ライブ配信の利用が一般的なものになりました。ビデオ通話では音声の聞き取りやハウリング防止のために、マイク付きイヤフォンの利用がほぼ必須ですが、その中でも快適に通話できるイヤフォンとして一時品薄になるなど再注目されたのが “ながら聴き”対応の「オープンイヤーイヤフォン」です。価格は5000円台からで、現在では専門の棚を置く家電量販店も増えてきました。
特徴は、一般的なイヤフォンと違って耳を完全にふさがず、イヤフォンの音と周囲の音の両方が自然と聞こえる点です。ビデオ会議や、動画や音楽を聴きながらの作業中も周りの音や声に対応できます。特に、自宅で子どもやペットの動き、宅配などの来訪が気になる人にとっては非常に助かるアイテムといえます。
また、耳の穴(外耳道)へ挿入せずに装着できるので、耳への圧迫感や閉塞(へいそく)感、蒸れが少なく、長時間の利用にも向いています。一般的なイヤフォンだと耳のサイズに合わないという人も、オープンイヤーイヤフォンなら快適に使える可能性があります。
注意点として、常時外の音が聴こえるので、映画や音楽の音を集中して高音質で聴く用途には向いていません。また、一般のイヤフォンと違いある程度音漏れします。基本、自宅や職場、ウオーキング用と割り切って購入する必要があります。
今回は、オープンイヤーイヤフォンでは代表的なソニー製と、イヤリング型のambie製、骨伝導タイプのAfterShokz製の3モデルの実際の使い勝手を見ていきましょう。最後に有線イヤフォンとワイヤレスイヤフォンタイプのどちらを選ぶべきかの利点と欠点についても解説します。価格は全て税込みで、2020年12月上旬時点のもの。
多くの耳に優しくフィット ソニー製「STH40D/SBH82D」
ソニー製のオープンイヤーは有線タイプ「STH40D」(量販店で実売5480円前後)と、Bluetoothワイヤレスタイプ「SBH82D」(量販店で実売9060円前後)の2種類が販売されています。有線タイプの方が手ごろな価格で購入できます。
有線タイプはシンプルなマイクとスマホの操作ボタン付きモデル。ワイヤレスタイプは連続通話8時間、待受時間200時間動作。USB Type-C端子から充電できます。また、スマホのSiriやGoogleアシスタントの起動、2台の機器と同時接続するマルチポイントモードも利用できます。スマホに詳しい人にとっては、ソニーモバイルが販売していたスマートイヤフォン「Xperia Ear Duo」をシンプルにしたモデルとも言えば分かりやすいでしょうか。
使用感ですが、耳にイヤーパッドを引っ掛けて装着するので圧迫感はほぼありません。眼鏡にも干渉せず装着できます。イヤーパッドはS/R/Lの3サイズが付属。近年主流の耳の穴に差し込むカナル型イヤフォンが苦手な人も、このモデルなら合う人は多いでしょう。
イヤフォンの音は、周辺のスピーカーから聴いているような音場の広さがあり、外の音と自然と混じって聞こえます。音のバランスも良好で、気になるのは低音の響きがやや弱い点ぐらいです。
このモデル、着け心地の良さや便利さから多くの人にお勧めできる製品なのですが、1つだけ欠点があります。それは破損の可能性で、初めて利用する際は安価な有線タイプを強く推します。イヤフォン端子がないiPhoneの場合でも、1000円前後の「Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を購入して有線タイプの利用をお勧めします。
というのも、ネットの販売サイトの口コミ評価でも散見されるように、装着方法の誤解や、持ち歩き時の衝撃で音導管を折る不安があるからです。筆者が複数人に使ってもらった限り、初めて使う人は音導管が軟質のゴム素材製だと思い “くの字の管の部分”を曲げて装着する傾向がありました。実際はプラスチック製で曲げると折れてしまい、破損に保証は使えません。
無理なく装着するコツですが、くの字の開いた部分が真上になるよう縦に持ち、耳の下から上へと耳たぶを挟みつつスライドしましょう。慣れると素早く装着できます。使用しないときは、衝撃から保護できるケースに入れておくのが無難でしょう。
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