iOS 14.5とwatchOS 7.4配信開始 マスクのままロック解除やトラッキング許可など盛りだくさん
Appleが「iOS 14.5」と「watchOS 7.4」をリリースした。これでマスクのままのロック解除機能や「AirTag」を探すなど多数の機能が使えるようになり、50件以上の脆弱性も修正される。
米Appleは4月26日(現地時間)、「iOS 14.5」をリリースした。同日「watchOS 7.4」もリリースし、Apple Watchを併用すればマスクを装着したままiPhoneをロック解除できる機能など、多数の新機能が追加された。
マスクをしたままのiPhoneロック解除
マスクしたままのiPhoneロック解除機能を使うには、まずiOSをアップデートした後、wathOSもアップデートする必要がある。この機能が使えるのは「iPhone X」以降のiPhoneと、「Apple Watch Series 3」以降のApple Watchだ。
iPhoneの「Face ID」の設定でApple Watchでのロック解除を有効にすると、Apple Watchを手に持ってロックを解除し、iPhoneのすぐ近くに置くと、iPhoneのロックが解除されたことを示す触覚フィードバックをAppleWatchから受け取れるようになる。
AirTagを探す
Appleが30日に発売予定の紛失防止タグ「AirTag」を使えるようになる。
iPhone 11あるいは12では「正確な場所を見つける」機能で、視覚的、聴覚的、および触覚的なフィードバックでAirTagの近くに誘導してもらえる。「紛失モード」にすると、他の人がAirTagを見つけたときに通知を送信したり、(設定していれば)電話してくることができる。
トラッキング許可義務付け開始
広告やデータブローカーと共有する目的で他社のAppおよびWebサイトを横断してアクティビティがトラッキングされる場合、どのAppに対してトラッキングを許可するかを選択できるようになった。詳細は別記事を参照されたい。
Podcast
ユーザーインタフェースが刷新され、番組のページでPodcastの内容をチェックしやすくなり、検索にランキングと人気のカテゴリが追加された(別記事参照)。
Siriの声が「声1」「声2」に
Siriの声が、「男性」と「女性」から「声1」と「声2」に変わった。
Siri関連ではこの他、以下の新機能が追加された。
- AirPodsまたは互換性のあるBeatsヘッドフォンを装着しているときに、Siriが通話の発信者名を読み上げて着信を通知し、ハンズフリーで応答可能
- Siriに頼んで連絡先のリストや「メッセージ」のグループ名に対してのグループFaceTime通話に対応
- Siriに頼んで緊急連絡先に発信可能
Apple Music
- お気に入りの歌詞を「メッセージ」やFacebook、Instagramのストーリーズで共有したり、サブスクリプションの登録者は「メッセージ」のチャット内で歌詞のスニペットを再生することが可能
- 世界の100を超える各都市で人気のある音楽を紹介する都市別ランキング
絵文字
- キスしているカップルの絵文字とカップルとハートの絵文字のすべてのバリエーションで、個別に別々のスキントーンに対応
- 新しい顔の絵文字、ハートの絵文字、髭を生やした女性の絵文字を追加
5Gの改善
- デュアルSIMへの対応により、iPhone 12モデルでモバイルデータ通信の回線を利用する際に5Gでの接続が可能
- 「スマート・データ・モード」の改善により、5Gネットワーク向けに利用環境が最適化されることで、iPhone 12モデルでのバッテリー駆動時間を延ばし、データ使用量を削減
- iPhone 12モデルでサポートされている通信事業者の5G国際ローミングを利用可能
マップ
Siriに頼むか、または画面下部の経路カードをタップしてから「到着予定を共有」をタップすることで、車での移動に加えて、自転車や徒歩での到着予定時刻を共有可能になった。
リマインダー
タイトル、優先順位、期限、作成日でリマインダーの並べ替えができるようになり、リマインダーリストを印刷するオプションが追加された。
翻訳
再生ボタンの長押しで翻訳の再生速度を調整できるようになった。
ゲーム
Xbox Series X/Sの無線コントローラーとソニーのPS5のDualSenseコントローラーに対応した。
CarPlay
新しいSiriまたはキーボードコントロールを搭載したCarPlayを使用して、運転中にAppleマップで到着予定時刻を簡単に共有可能になった。
修正された問題
- スレッドの下部にあるメッセージが特定の状況下でキーボードによって隠されてしまう場合がある問題
- 削除したメッセージが引き続きSpotlight検索に表示される場合がある問題
- 「メッセージ」の一部のスレッドで、テキストの送信が継続的に失敗する場合がある問題
- 「メール」で、デバイスを再起動しないと一部のユーザの新着メッセージが読み込まれなかった問題
- 着信拒否設定と着信IDのセクションが「電話」の設定に表示されない場合がある問題
- SafariでiCloudタブが表示されない場合がある問題
- iCloudキーチェーンをオフにすることができなくなっていた問題
- Siriによって作成されたリマインダーが、意図せずに早朝に設定される可能性がある問題
- バッテリーの状態報告システムによって、iPhone 11の最大バッテリー容量とピークパフォーマンス性能を再調整し、一部のユーザにバッテリーの状態が不正確な推定値で報告されていた問題に対処(https://support.apple.com/ja-jp/HT212247)
- iPhone 12で、黒い背景のときに輝度を下げると表示されることがある薄暗い光を減らすように最適化
- AirPodsの自動切り替えで、オーディオが誤ったデバイスに接続される問題
- AirPodsの自動切り替えが通知されなかったり、通知が重複したりすることがある問題
セキュリティ関連は50件 「積極的に悪用された可能性のある」ものも
このアップデートでは50件ものセキュリティ関連の修正も加えられた。AppleはCVEの重要度を表示していないが、中には「CVE-2021-30661」のように「積極的に悪用された可能性がある」脆弱性もある(本稿執筆現在、まだ日本語化されていない)。
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