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中国で一番人気のスマホはどれ? Huaweiの穴を埋めたメーカーは?:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
新型コロナウイルスの影響が経済に大きな影響を及ぼしている中、スマートフォン市場は少しずつ回復傾向がみられる。Samsung、Apple、Xiaomiなどの上位メーカーは、いずれも前年同期比でプラス成長となった。中でもXiaomiはAppleとの差を1.9%まで縮めており、第2四半期には2位に躍り出るだろう。
独自の地位を確立した「OnePlus 9 Pro」
さて、20位以内で興味深い製品が1機種入っている。OnePlusのフラグシップモデル「OnePlus 9 Pro」(一加9 Pro)だ。OnePlusはOPPOと同じグループのメーカーであり、ハイエンドに特化した製品を展開している。OnePlus 9 Proはハッセルブラッドとコラボし、ソニーの最新センサーカメラを搭載した話題の製品だ。少数精鋭でもしっかりとした製品を作ることで、独自の地位を確固たるものにしている。
Huaweiはハイエンドモデルが売れていることから分かるように、製品の人気に衰えは一切なく、ブランドへの信頼性も揺らいでいない。しかしプロセッサの供給問題が解決されない限り、製品出荷量の減少は逃れられない。米大統領がバイデン氏に代わったとはいえ、制裁がすぐに解消される見込みはないだろう。
スマートフォンの中でも最高のカメラ性能を持ったフラグシップモデルから、ポルシェデザインとコラボしたブランドモデル、折りたたみ型の最新技術を搭載した製品、そして「lite」シリーズに代表されるコスパモデルまで、豊富なラインアップを有していたHuaweiの存在が薄れていく中、他のメーカーはどのようにそのシェアを奪っていくのだろうか。
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