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ahamoや5G格安SIMはどれだけ速い? 各社11プランで通信速度を一斉テストした(1/3 ページ)

5Gの整備に「ahamo」「povo」「LINEMO」などのキャリア大手各社が展開する低価格プランや格安SIMを提供するMVNOによる5G対応、価格改定など、再編が進むモバイル通信環境。だが、実際のところ速度は出るのか? 昼の休憩時間は働く人のピーク利用時間でもあり、そこで十分に通信を楽しめるプランを筆者が契約する11プランの中から自力で探してみた。

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 2021年はドコモの「ahamo」が月額2970円(税込み、以下同)で通信量20GBのプランを開始。対抗としてauの「povo」やUQ mobile、ソフトバンクのY!mobileや「LINEMO」も対抗の低価格プランを開始した。また、楽天モバイルや格安SIMのMVNO各社も価格の改定や5G対応などでサービスを強化している。

 そこで気になるのが通信速度だ。「安い代わりにネットが遅いのでは?」「昼の12時台に遅いことはないか?」「5Gで速度が出る?」と疑問に思う人はいるだろう。

 そこで今回、筆者が契約中の各社11プランで速度テストを実施した。最新の低価格プランは4Gや5Gで快適に通信できるのか。テスト結果から現在の状況を見ていこう。

MVNO・格安SIM速度テスト
通信量20GB前後で安価な料金プランが話題だが、実際の通信速度に問題は無いか。ahamoの他、10枚のSIMと1枚のeSIM、合計11プランを用意してスピードテストを実施した

4G/5Gの通信速度を、混雑する昼の時間帯にチェック

 テストの概要だが、今回は「通信の利用が多い昼の12〜13時台に、プランの制限や通信の混雑により通信速度が極端に遅いサービスがないかを調べること」を目的としている。

MVNO・格安SIM速度テスト
iPhone 12 Proを使い、東京駅前の各社5Gエリアでスピードテストを実施した

 スピードテストは現在主流の4G接続と、参考として高速なSub-6エリアの5G接続の両方で実施した。テスト端末はiPhone 12 ProとSpeedtest.netアプリを利用。3回中良好なものを掲載している。テストした通信プランはahamo、povo、LINEMOやサブブランド、格安SIMなど以下の各社11プランだ。測定日は2021年5月26日。

ドコモ回線を利用したサービス

  • ドコモ(5Gギガホ プレミア)
  • ahamo
  • リンクスメイト(5G回線オプション)
  • IIJmio(eSIM データプラン ゼロ)

au回線を利用したサービス

  • au(使い放題MAX 5G)
  • povo
  • UQ mobile(くりこしプランM)
  • mineo(Aプラン 5G通信オプション)

ソフトバンク回線を利用したサービス

  • Y!mobile(シンプルM)
  • LINEMO

楽天モバイル回線を利用したサービス

  • 楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)

 測定場所は東京駅前かつ、電波状況による速度への影響を防ぐためにドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルそれぞれのエリアマップとiPhone 12 Proのピクト表示から、4Gと5G両方の電波環境が良好な場所を探して行っている。

 ただ、5Gについてはエリアマップと実際につながるエリアの正確さについて、各社で大幅な差異が見られた。これはスピードテストの結果ともに触れていく。では、スピードテストの結果を見ていこう。

ahamoなどドコモ回線のプランをチェック 格安SIMも意外と速い

 ドコモ回線を利用したサービスのテストは、東京駅周辺で4Gと5Gともにつながる京橋周辺で実施した。時間帯は12時台の前半だ。5Gエリアはエリアマップと実際のエリアの差は少なく、快適にテストを実施できた。

MVNO・格安SIM速度テスト
ドコモの4G/5Gテストは5Gエリアマップを確認し、東京駅の八重洲口側からやや歩く京橋の交差点のエリアで実施。問題なく5Gデータ通信を利用できた

 まずは4Gでのスピードテスト結果から見ていこう。

ドコモ回線 4Gスピードテスト(12時10〜30分に実施)

  • ドコモ:下り135Mbps 上り7.09Mbps
  • ahamo:下り106Mbps 上り9.49Mbps
  • リンクスメイト:下り122Mbps 上り10.5Mbps
  • IIJmio:下り18.7Mbps 上り11.1Mbps
MVNO・格安SIM速度テスト
4G状態でのドコモ回線の速度

 ドコモ(5Gギガホ プレミア)とドコモ内ブランドのahamoはともに、100Mbps以上と動画速度も快適な速度で通信できた。ドコモもahamo発表時にネットワークの品質はドコモとahamoで変わらないと明らかにしている。

 格安SIMを提供するMVNOのリンクスメイトだが、混雑する昼12時台にドコモはahamoと同等の100Mbps以上の速度を記録した。これは格安SIMの昼12時台ではあまり見られない速度だ。理由としては、偶然ながらリンクスメイトが5月20日に実施した設備増強の直後にテストを実施した影響とみられる。リンクスメイトが公開する平均速度ともやや乖離(かいり)しており、今後の加入者増加が進めば昼12時台の速度はもう少し遅くなるものと思われる。

 IIJmioは、この中では遅い方だが、10Mbps以上出ているので、SNSやちょっとした動画視聴にも問題ない。なお、通信のピークから外れた昼15時台は下り65Mbps、上り10.7Mbpと速い結果が出た。

 次に5Gでのテストだ。IIJmioはテスト時に5G未対応だったので、テストを実施していない。

ドコモ回線 5Gスピードテスト(12時10〜30分に実施)

  • ドコモ:下り380Mbps 上り14.9Mbps
  • ahamo:下り401Mbps 上り22.4Mbps
  • リンクスメイト:下り183Mbps 上り13.8Mbps
MVNO・格安SIM速度テスト
5G状態でのドコモ回線の速度

 ドコモとahamoは400Mbps前後の似た速度となった。下りも上りともに、4Gと比べて2〜4倍ほど高速に通信できている。ここ最近は5Gスマホの普及が進んでおり、ビジネス街の昼の12時台だと周りで同時に5G通信を利用する人も増えたことから500Mbpsを超えるような速度は出にくくなってきている。

 一方、リンクスメイトの5Gは183Mbpsで頭打ちとなった。設備増強後といっても昼の12時台はそれなりに利用が集中しており、無線部分が高速な5Gになったことで混雑時の速度の上限が見えたのだろう。なお、通信のピークから外れた15時台に再度5Gテストを実施したところ、下り506Mbps 上り34.7Mbpsという5Gらしい速度を確認できた。

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