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シャープに聞く「AQUOS R6」開発の舞台裏 ライカとの協業から1型センサー搭載まで開発陣に聞く(1/3 ページ)

シャープの「AQUOS R6」は、ライカと共同開発した1型センサーのカメラが話題を集めている。刷新されたカメラ機能を中心にシャープ開発陣に話を聞いた。特にライカが求めるレベルの画質実現に苦労したという。

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 シャープの新型スマートフォン「AQUOS R6」がNTTドコモとソフトバンクから6月25日に発売された。その最大の特徴が「ライカと協業した1型センサーを搭載したカメラ」だろう。今回、刷新されたカメラ機能を中心にシャープ開発陣に話を聞いた。

AQUOS R6
1型センサーのカメラを搭載した「AQUOS R6」

AQUOS R6の「R」は「リボーン」

 AQUOS R6はカメラの注目度が高いが、全体的に前モデルである「AQUOS R5G」から大きく進化している。通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 係長の小野直樹氏は「初代RからR5Gまであったが、カメラだけでなく、ディスプレイ、デザイン、さまざまなデバイスや機能を一新しようと考えた」と話す。

 そのコンセプトは「今までのRとは一線を画する新しいRを作る。次のRは“リボーン(Reborn)”」と社内で話し合っていたそうだ。その中でも、やはり注力されたのがカメラだ。

 これまでシャープは、8K動画やAIライブシャッター、AIライブストーリーなど、新たな使い方の提案をしていたが、「使ってみないと分からない機能で、購入のトリガーにはなかなかなりにくかった」と小野氏は言う。

AQUOS R6
通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 係長の小野直樹氏(写真提供:シャープ)

 そこでリボーンとして「こだわりを感じる本格画質のカメラを目指した」のが、今回のAQUOS R6だ。スマートフォンのカメラは複数のカメラで画角を切り替えて撮影するのが一般的だが、メインカメラは高画質でも他のカメラは画質が落ちてしまう傾向にある。他社スマートフォンにあるような超高倍率カメラも、インパクトはあるが画質が落ちてあまり撮られていない、というのがシャープの認識だ。

 ユーザーとしては、一番画質のよいカメラで撮影したいとなるわけで、そのためにはさまざまなシーンをカバーできる高画質カメラが有効だ。複数のカメラを搭載するのではなく、1つのカメラを突き詰めることで、「カメラの数よりも(センサーの)大きさにこだわった」(小野氏)という。

 そこで、大型センサーにするなら高級コンパクトデジカメサイズのセンサーを搭載したい、というのが同社の企画側の希望だった。設計側にとっては、センサーサイズ、厚みなど、スマートフォンのサイズに収めるにはスペースが足りないということで議論を続けてきたが、最終的に「技術の頑張りで1型センサーを搭載することができた」(小野氏)。

AQUOS R6
AQUOS R6
1つのカメラで画質を追求すべく、高級コンデジでも使われている1型センサーを搭載した

ライカ品質の画質を実現するのに苦労

 1型センサーに加えて、「ライカ監修」というのが今回のAQUOS R6の目玉の1つだ。ドイツの名門カメラメーカーとして著名なライカは、スマートフォンではHuawei、アクションカメラでInsta360とも協業しているが、スマートフォンメーカーとしては2社目となるシャープとの協業となる。

 ライカとの話し合いが始まったのが2019年夏頃。シャープではハイエンドスマートフォンが高額になり、ミッドゾーン以下の端末でも性能が向上している中で、ハイエンドのAQUOS Rシリーズを継続していくためには、「今までの延長線上の進化では生き残れない」という危機感があったことを通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 課長の楠田晃嗣氏は振り返る。

 リボーンというコンセプトで企画を進めていく中でライカとのつながりができて、コラボレーションを決めたのだという。もともとライカとの話し合いは「AQUOS R6のため」ということでスタートしたわけではなかったが、結果として2020年3月にはR6をターゲットとして開発がスタートした。

AQUOS R6
通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 課長の楠田晃嗣氏(写真提供:シャープ)

 並行して1型センサー搭載の検討を進めており、1型とライカの組み合わせならユーザーも喜んでもらえると判断した。

 とはいえ、その後は苦労の連続だった。何しろ「ライカの求める到達点のレベルが高い」(楠田氏)。例えば一度いい写真が撮れても、同じように撮影したら同じようにキレイに撮れなければならず、何十回も撮影して、同じ状況で安定して撮影できることが求められた。

 このように画質評価が厳しく、「そんなところまで見るのか」(楠田氏)と驚いたそうだ。繰り返しチェックが行われたが、そもそも実際のハードウェア開発にこぎつけるまでが一苦労だったそうだ。

 ライカは、「シミュレーション技術が段違いだった」と通信事業本部 パーソナル通信事業部 システム開発部 部長の前田健次氏は言う。レンズやセンサーのシミュレーションをすることで、実際に出力される画質が把握できるが、そのレベルが高く、優れた分析によって設計パターンを繰り返すこと数十回にも及び、「普段やらないレベルでフィードバックがあり、ようやくGoがかかった」(前田氏)という。ライカ側の求める品質は、レンズの材料、コーティング、設計など多岐にわたり、その結果「いいものが仕上がったのではないか」と前田氏は話す。

AQUOS R6
通信事業本部 パーソナル通信事業部 システム開発部 部長の前田健次氏(写真提供:シャープ)
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