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OPPO「Reno5 A」の対抗馬に Xiaomi「Mi 11 Lite 5G」の実力と狙いを検証する石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

Xiaomiが日本向けに新型スマートフォン「Mi 11 Lite 5G」を7月2日に発売する。性能を限りなくハイエンドに近づけつつ、薄型化も追求した。Mi 11 Lite 5Gが狙うのは、SIMロックフリースマートフォンで最もボリュームの大きなミドルハイの市場だ。

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販路やプロモーションには課題も、オンライン専用プランが追い風になるか

 Xiaomiのスマートフォンは、そのコストパフォーマンスの高さが評価され、SIMフリー市場で徐々にシェアを伸ばしている。Mi 11 Lite 5Gも、SIMフリー市場では上位に食い込む端末になりそうだ。

 一方で、KDDIやソフトバンクから販売されたモデルを除くと、Xiaomiの販路はECや家電量販店が中心で、サブブランドやMVNOの取り扱いは限定的だ。Mi 11 Lite 5Gも、発表時点ではECや家電量販店が販路の中心で、MVNOはIIJmio、goo Simseller(OCN モバイル ONE)、BIGLOBEモバイルの3社のみとなっている。店舗数、ユーザー数がともに多いUQ mobileやY!mobileでの取り扱いは表明されていない。

Mi 11 Lite 5G
コストパフォーマンスが高い端末だが、MNOの取り扱いがなく、MVNOも大手に限定される

 対するOPPOのReno5 Aは、Y!mobileや楽天モバイルといったMNOが名を連ねている他、MVNOもIIJmio、インモバイル、QT mobile、goo Simseller(OCN モバイル ONE)、BIGLOBEモバイル、Fiimo、Links Mateと数が多い。さらに、OPPOはテレビCMに指原莉乃さんを起用するなど、メーカー名や端末名の知名度も高くなりつつある。販路の開拓やプロモーション展開では、まだまだOPPOをキャッチアップできていないのが実情といえる。端末のコストパフォーマンスは高いが、それをどう伝え、幅広く販売していくのかはXiaomiの課題といえる。

Mi 11 Lite 5G
実績を重ねたReno Aシリーズの最新モデルということもあり、当初から幅広い販路で販売される

 もっとも、スマートフォンの買われ方がこれまでとは徐々に変わってくる可能性もある。ahamoやpovo、LINEMOといったオンライン専用プラン/ブランドの契約者が増えているのは、その理由の1つだ。こうした料金プランのユーザーは、キャリアショップで端末を単体購入するか、SIMロックフリーの端末を購入することになる。厳密にいえば、ahamoはドコモオンラインショップで機種変更できるが、ECは横並びの比較がしやすいため、今まで以上にSIMロックフリーの端末に目を向けやすい環境になっているのも事実だ。

 先のワン氏も「ahamo、povo、LINEMOなどのオンライン専用プランが出ている中で、SIMフリーのベストなデバイスを出したいと提供を決めた」と、ユーザーの行動の変化に期待を寄せる。

 Xiaomiが「昨年(2020年)と比べて迅速に動いている」(同)というのも、そのためだ。実際、2021年に入り、日本市場では矢継ぎ早に話題性のある新モデルを投入。キャリアモデルの開発やFeliCaへの対応の早さは、新規参入から2年にも満たないメーカーとしては異例で、話題性も高い。Mi 11 Lite 5Gのコストパフォーマンスの高さが口コミで広まれば、日本市場での知名度をさらに高めることになりそうだ。

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