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「府中市」違い? 楽天モバイルが緊急速報メールを誤配信
7月8日午前8時頃、東京都府中市に所在する楽天モバイル携帯電話宛に「災害避難情報」が配信された。しかし、その情報は本来「広島県府中市」に配信するべきものだった。
楽天モバイルは7月8日、同日午前8時頃に広島県府中市で配信すべき緊急速報メール(災害避難情報)を、東京都府中市で誤配信していたことを明らかにした。東京都府中市では、公式Twitterアカウントで注意を喚起している。
なお、同社によると本来配信すべき地域(広島県府中市)への配信も正常に行われたという。
緊急速報メールの仕組み
LTE(4G)規格の緊急速報メールは、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)という仕組みを使って配信される。ETWSでは、対象となるエリアに所在する(基地局の配下にある)携帯電話宛に緊急地震速報や災害避難情報を“無差別に”配信する仕組みとなっている。
- →参考記事
緊急速報メールは、気象庁を含む各省庁や地方自治体(都道府県/市区町村)から発出された情報を、キャリアのセンターを経由して指定された区域に所在する携帯電話宛に“無差別に”配信する。この画像はNTTドコモの「エリアメール」の説明だが、楽天モバイルを含む他キャリアでも仕組みは同じだ
システムの設定に誤り?
緊急速報メールの配信は、基本的に自動化されている。今回の事例であれば、広島県府中市が災害避難情報を発出すると、楽天モバイルのシステムが自動的に広島県府中市内、あるいはその近隣にある基地局の配下にある携帯電話端末宛に配信する手はずとなるはずだ。
今回の事象は、同社のシステムに何らかの不具合、あるいは設定の誤りがあったために「東京都府中市」にも配信してしまったものと思われる。
なお、「府中」と付く市区町村は、東京都府中市、広島県府中市の他、広島県安芸郡府中町もある。
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