eKYCの利用経験は21.0%、懸念はデータの保管 MMDの調査より
MMD研究所は、8月25日に「オンライン本人確認(eKYC)に関する利用動向調査」の結果を発表。利用経験は21.0%で、未利用者の62.9%はデータの保管や手続きに不安や懸念があることが分かった。
MMD研究所は、8月25日に「オンライン本人確認(eKYC)に関する利用動向調査」の結果を発表した。TRUSTDOCKと共同実施したもので、9月1日のデジタル庁発足を見据えたものとなる。対象は20歳〜69歳の男女1万人で、調査期間は7月21日〜7月26日。
「本人確認の経験がある」と回答した人は80.6%で、経験のある本人確認手続きの手段(複数回答)は「対面での手続き」が78.0%、「非対面での手続き」が59.3%、「覚えていない」が5.2%。非対面での手続き経験者4780人が使ったことのある手段(複数回答)は「ネットで身分証明書の写真を送信」が最多で58.6%、次いで「郵送」が38.3%、「ネットで顔写真を撮影して送信」が35.1%となった。
対面での本人確認手続きの際に困ったこと(複数回答)は「必要書類を用意するのが面倒」が61.7%、「わざわざ窓口や店舗に移動することが面倒」が41.5%、「窓口や店舗で対応までの待ち時間がかかる」が38.0%となった。
対象者にオンライン本人確認(eKYC)の認知や利用状況を聞いたとこ「利用したことがある」が21.0%、「利用しようと思ったことがある(利用したことはない)」が2.2%、「内容は知っているが、利用したことはない」が4.0%、「名称は知っているが、どんな内容なのか知らない」が5.3%、「全く知らない」が67.6%。年代別では「利用したことがある」は30代(1835人)が最も多く26.0%、次いで20代(1620人)が23.8%、40代(2375)が20.9%となった。
eKYC未利用者が「利用したいと思う」理由(複数回答)は「手続きが時短になるから」が48.0%、次いで「手続きが簡単そうだから」が45.3%、「手続きの時間を選ばないから」が38.0%に。eKYCに懸念すること(複数回答)は「提供先の写真などのデータの保管や活用が不安/心配」が46.6%、「顔写真を送りたくない」が41.0%、「写真データを送ることなどめんどくさく感じる」が33.2%となった。
9月1日に発足するデジタル庁の認知は66.0%で、行政手続きのオンライン化に関する要望(複数回答)は「個人情報やセキュリティの法律、ガイドラインが整備されること」が37.0%、次いで「悪質業者の公開や指導が強化されること」が32.8%、「時間帯に問わず行政手続きができること」が32.4%となった。
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