NTTドコモの「home 5G」を使ってみた 気になる“制限事項”もチェック:5分で知るモバイルデータ通信活用術(3/3 ページ)
NTTドコモのhome 5Gが始まって約2カ月が経過しました。当初はルーターの品切れや出荷遅延があったものの、それも落ち着いてきたので契約するかどうか迷っている人もいると思います。今回は、筆者が実際にhome 5Gを契約(購入)した上で、その実力を試してみました。
利用場所の制限は“プランのみ” ルーター自体は他プランでも利用可能
home 5Gの設置場所による通信制限は、あくまでも通信回線に課せられた“縛り”です。専用端末として販売されているhome 5G HR01自体はSIMロックフリーなので、対応周波数帯(※)さえ合致していれば他キャリアの5G/LTE通信サービスのSIMカードを入れて使うことも可能です。通信できるかの保証はないのですが……。
(※)5G NRはBand n78(3.7GHz帯)/n79(4.5GHz帯)に、LTEはBand 1(2.1GHz帯)/3(1.7GHz帯)/19(800MHz帯)/21(1.5GHz帯)/28(700MHz帯)/42(3.5GHz帯)に対応
このHR01ですが、実はhome 5Gプラン“以外”のドコモ5GプランのSIMカードを入れても通信できます。この場合、設置場所に関する制限もありません。これなら、旅行や出張の際に屋内で使う高性能ルーターとして有力な選択肢に入ります。
ただし、HR01は単体販売されていないので、この使い方をするには端末を中古(または新古)で入手するしかありません。加えて、将来のソフトウェア更新で非対応になる可能性も否定できません。
屋内用高性能ルーターとしてホームルーターを他拠点で使いたい場合は、設置場所に制限のないUQコミュニケーションズや同社のMVNOが提供する「WiMAX+5G」対応ルーターを購入(契約)して使った方が良いでしょう。
他拠点で使う場合は、素直にUQコミュニケーションズや同社のMVNOが提供する「WiMAX+5G」を契約した上で、同サービスに対応するホームルーターを購入した方が安心かつ便利である(写真は「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」)
home 5Gのスピードは?
home 5Gの通信速度が気になる人もいると思います。筆者が自宅で試した限りでは、5Gエリアでは条件が良ければ下り900Mbpsを超える通信速度を出せます。混雑する時間帯(夕方から夜の時間帯など)はここまでの速度は期待できませんが、下手な固定インターネット回線(特にADSLやVDSLを利用する回線)よりも高速でした。
もちろん、home 5Gは“ワイヤレス”なので、「基地局からの距離」「周辺の利用者数」といった速度に影響する要素が固定回線と比べると多いことも事実です。ただし、ポテンシャル的には上り(送信)速度にこだわる必要がなければ固定インターネット回線の代替として有力な候補になり得ることは間違いありません。
工事日などを気にせずに、必要になったタイミングですぐに契約して使えるのは、home 5Gの持つ強いメリットです。自宅がドコモの5Gエリアで、5Gスマホでも満足に通信できる環境なら、固定回線の代わりに契約を検討しても良いと思います。ただ、ユーザーが増えてきた場合に、現状の快適さを保てるかどうかは課題の1つです。
また、本領を発揮するための5Gエリア拡大も欠かせませんが、ドコモの5Gはエリアの端部において通信が進まなくなるという声も少なからずあります。ドコモは過去に大きく2回の対策を行っていますが(参考記事)、SNSの反応を見る限り、完全解消には至っていないようです。「5Gエリアなのにうまく通信できない」という場合は、エリアが広がるまで「4G(LTE)固定」で運用するなどの対策が必要になることは覚えておきましょう。
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