iPhone同士でコンテンツや画面を共有 iOS 15.1の「SharePlay」を試す(1/2 ページ)
iOS 15.1ではFaceTimeで「SharePlay」が利用可能になった。利用するには、iPhoneがiOS 15.1以上にアップデートされている必要がある。コンテンツや画面を共有する際の手順や使い勝手をまとめた。
iOS 15では「FaceTime」関連の新機能が多かった印象があるが、同アプリにおける目玉機能の1つでもあった「SharePlay」は当初利用できなかった。しかし、10月25日に配信開始された「iOS 15.1」から「SharePlay」がサポートされたので、この機能を使ってみた。
SharePlayの前提条件
まず、SharePlayを利用する前提として、FaceTimeのビデオ通話に参加するために使うiPhoneがiOS 15.1以上にアップデートされている必要がある。公式のサポートページを見ると、「全員で用意するもの」として「最新バージョンのiOSまたはiPadOSにアップデートしたiPhoneまたはiPad」と記載されている。また、「Apple TVでSharePlayを使うには、Apple TVを最新バージョンのtvOSにアップデートしてください」と指定されている。
筆者が検証した範囲では、上記の条件を満たしたiPhone同士でも「FaceTimeリンク」で作成したURL経由で通話をした場合には、SharePlayは利用できなかった。SharePlay機能を利用するには、「条件を満たしたデバイス同士で、電話番号やメールアドレスを使ってFaceTimeアプリ内から直接通話機能を利用する」必要があるわけだ。
「TV」アプリで視聴できるコンテンツを再生してみた
SharePlayを利用するには、こうした条件を満たしたFaceTimeビデオ通話をしている状態で、SharePlay機能に対応したアプリを起動すればよい。今回は「TV」アプリを起動し、Apple TVで無料視聴が可能な番組を再生してみることにした。
「TV」アプリを起動したタイミングで、SharePlayを開始しようとしているユーザーの画面には、バナータイプの通知で「SharePlayを使用するコンテンツを選択」と表示され、SharePlayが利用できる旨が紹介される。再生したいコンテンツを選択すると、「”TV”のコンテンツをSharePlayしますか?」というポップアップ画面が表示されるので、「SharePlay」を選択しよう。SharePlayを開始する側の操作はこれで一段落する。なお、その後に共有を試みると、バナー通知には「コンテンツは自動的にSharePlayされます」といった文字が表示されるようになり、「SharePlay」の選択は表示されなくなった。
共有される側のFaceTime画面で「SharePlayに参加」のボタンが表示されるのでタップ(左)。「TV」アプリが起動し、ポップアップで「SharePlayに参加」を選んだ(右)。この端末ではTVアプリが未使用だったので、その後に初期設定操作が必要となった
コンテンツをシェアされた側には、「SharePlayに参加」という選択肢が表示されるので、これをタップすればよい。SharePlayに招待された側のユーザーが、TVアプリを利用していなかった場合には、初期設定が必要になる。
シェアした側、シェアされた側の必要操作が完了し、SharePlayがスタートすると、FaceTimeの画面内に動画が、あるいはTVアプリ側の再生画面に、FaceTimeの通話画面が、ピクチャインピクチャ状態で表示されるようになる。ウィンドウが邪魔な場合には、画面端に向かってスワイプすることで、最小化も可能だ。なお、ホーム画面や他のアプリを起動した状態にしても、SharePlayは継続される。
なお、FaceTime中の相手が再生停止操作をすると、もう片方の相手の画面も停止する。誰かが「ちょっとお手洗いに……」といった場面でも安心だ。当然ではあるが、再生停止操作を行った場合には、なるべく再生位置にギャップが生じないようにもタイミングも調整されているように感じた。
ちなみに、ウィンドウの「×」印をタップするなど、動画再生を終了する操作を行うと、「”〜”を終了しますか?」というポップアップ画面が表示される。ここには「全員に対して停止」と「自分に対してだけ停止」の2種類の選択肢が用意されている。前者をタップすると、視聴しているメンバー全員の視聴が終了するが、後者をタップすると自分の視聴だけが終了し、残りのメンバーは継続して作品を視聴できる。例えば、1人だけ「翌朝の起床時間が早いので抜けて寝たい」といった場面で重宝するわけだ。
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