インド製の5Gミリ波対応スマホが米国で販売中 意外な“中の人”も:山根康宏の海外モバイル探訪記
5Gサービスが拡大するアメリカで、インド製の5G対応スマートフォンが販売されている。ミドルレンジクラスの仕上がりだが、OrbicがインドのEMS企業Dixon Technologiesと提携して製造したスマートフォンだ。
各キャリアが5Gサービスを展開する米国で、異色のスマートフォンが販売されています。OrbicがVerizon向けに販売している5Gスマートフォン「Myra 5G」はミリ波にも対応した高速データ通信アクセス可能な端末ですが、製造元はインド。インド製の5Gスマートフォンが米国で販売されているのです。
2022年1月、ラスベガスで開催されたCES 2022の関連イベントとなるDitigal ExperienceにOrbicは出展し、Verizon向けのミリ波対応端末を幾つか展示していました。Orbicは自社で工場は持たずにODMやEMS企業に製品の製造を委託しています。Myra 5Gはインドの大手EMS企業、Dixon Technologiesと提携して製造されたスマートフォンなのです。
Myra 5Gの主なスペックはプロセッサがSnapdragon 750G、ディスプレイサイズは6.78型で解像度は720×1600ピクセル、カメラは4800万画素と800万画素超広角、200万画素深度測定の3つを搭載、インカメラは1600万画素と意外と高性能。そしてバッテリーは5000mAhです。
光沢感あるボディーですが、指紋の跡が若干目立つなどミドルレンジクラスの製品の仕上がりといった感じ。価格は349ドルですが、契約プランによっては大幅な割引販売も行われているようです。米国では他のキャリアも独自の低価格5Gスマートフォンを投入しており、このクラスの製品は5Gユーザー獲得手段用として割引販売が日常化しています。
本体サイズは79.7(幅)×172.8(高さ)×9.3(奥行き)mm、重量190g。ディスプレイの解像度は低いものの、サイズは大きいので5G回線を使ってストリーミングで動画を見るのも十分楽しめそうです。
ところでOrbicのブースで説明していただいた方の顔に見覚えのある人もいるかもしれません。以前モトローラ・モビリティ・ジャパンの社長だったダニー・アダモポウロス(Danny Adamopolos)氏が、現在はOrbicで5G製品を扱っているのです。日本にゆかりのある方が開発に関わっているということで、いずれOrbicの製品が日本で販売される日がくるかもしれません。
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