なぜ撤退した「G'zOne」が復活したのか KDDIとカシオに聞く「G'zOne TYPE-XX」誕生秘話(4/5 ページ)
カシオ計算機がデザインを担当、京セラが製造する4G LTEケータイ「G'zOne Type-XX」。さらにauが販売する3社のコラボによって生まれた「異例」のケータイは、いかにして発売にこぎ着けたのか。KDDIの企画担当者と、カシオ計算機のデザイナーに開発秘話を聞いた。
卓上ホルダは伝統の縦型を採用、3台を購入したユーザーも
―― 周辺機器も充実していますね。
井戸氏 近藤さんはこういうアクセサリーにこだわんですよね。ネックストラップ1つとっても、さりげなくG'zOneロゴがあしらわれていて、工夫を凝らしています。
近藤氏 オプションでは、交換用のバッテリーや、2Wayストラップ、卓上ホルダを用意しています。2Wayストラップはカラビナを付けてかばんやベルトに装着したり、ネックストラップとして首から提げたりできます。付属のストラップケースには予備の電池やイヤフォン、イヤフォンジャック用アダプターを収納して持ち歩けるようになっています。
―― 卓上ホルダは縦置きできるタイプですね。
井戸氏 実はこれ、卓上ホルダに挿すと、充電LEDが見えにくいんですよ。これ、私のせいです……(一同笑)。
近藤氏 G'zOneシリーズの卓上ホルダは、斜めに置くタイプでしたね。
井戸氏 今回のモデルを製造した京セラが展開するTORQUEケータイでは、横置き型の卓上ホルダを採用していました。今回、カシオから「縦置きで状態で充電できるようにしたい」と要望して、このホルダを開発しましたが、G'zOne TYPE-XXがTORQUEケータイと同様に横に充電端子を備えていたのがネックとなったのです。
側面の充電端子をそのままにして、垂直に立たせる設計にしてしまったため、サブ液晶を下向きに照らす通知LEDの表示が見づらくなってしまいました。デザイン設計者としては修正するべき点でしたが、見逃してしまいました。この場をお借りしてユーザー様にはおわびさせていただきます。
近藤氏 卓上ホルダを縦型にしたこと自体は、ユーザーからも「G'zOneらしいよね」と好評をいただいています。中には3つもお買い上げいただいたという方もいらっしゃいました。自宅用、職場用に加えて、クルマのドリンクホルダーに挿して使われているそうです。
井戸氏 ホルダ自体の幅がやや太くなってしまったのも、本来なら直したかったところです。当初の試作した卓上ホルダはお餅をつく臼のように太かったので、これでもかなりスリム化していますが、側面の充電端子をそのままに卓上ホルダを設計したため、どうしても太くなってしまいました。
「あのペンギン」も特別出演
―― アプリの方はカシオで選定されているのですか。
井戸氏 カシオが関わった部分は外観のデザインの部分が中心で、アプリやUI(ユーザーインタフェース)に関しては、一部のグラフィックのみ提供しています。Outdoor Appsをはじめとした各種機能は京セラの「TORQUE X01」に準じたものとなっています。
10年前のG'zOne TYPE-Xでは「G'zOne Gear」というツールアプリを搭載していましたが、いかんせんカシオは携帯電話製造から撤退していますので、当時のものをそのまま搭載するわけにもいきません。ただし、京セラのOutdoor Appsも気温やコンパスのサブ表示などに対応しておりますので、ある程度のG'zOneユーザーさんの用途に答えられているかなと。
―― グラフィックではカシオは、どのような部分で関わっていますか。
井戸氏 壁紙はG'zOneのテーマであるモータースポーツをモチーフとしたものなど、10数枚を収録しています。この他にも主要なアプリでグラフィックデザインを提供しています。
―― ストップウォッチに「あのペンギン」がいますが、どういった経緯で入ることになったのでしょうか。
井戸氏 カシオのペンギンですね。近藤さんの趣味です(笑)。
本来は2005年発売の「A5512CA」のデザインコンセプトだった「ハート・クラフト」から生まれたキャラクターで、正式な名称はありませんが、「カシペン」と呼ばれて愛されていました。G'zOneシリーズとは関係ないキャラクターですが、近藤さんたっての希望もあり「特別出演」してもらいました。
近藤氏 全面的には出さず、「隠れキャラ」的な位置付けにしています。ストップウォッチ以外にも出てくる場面があるので、探してみてください。
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