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無料だけどスマホでプロ級の写真を撮れる モバイル版「Adobe Lightroom」を試す(2/2 ページ)

アドビがスマートフォン向けに基本無料で配信しているアプリ「Adobe Lightroom」が非常に便利だ。「スマホで手軽に、こだわったきれいな写真を撮りたい」というわがままに応え、プロレベルの設定が豊富な画像編集ソフトとしても機能する。

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色味調整で写真をさらにきれいに

 撮影した画像は、スマホ上でさまざまな修正が可能だ。アルバム画面で画像をタップすると「マスク」で修正したい部分を選択したり、「修復」で人物や電線などを消去できる。「切り抜き」は元画像と同じアスペクト比の他、6Pサイズの5:4、フルHDと同じ16:9などを選択可能だ。

LightroomLightroom 「切り抜き」で「角度補正」を使うと水平を推定して補正してくれる(画像=左)。この他左右に90度回転や反転も可能だ。切り抜きの比率は「元画像」「カスタム」の他9つのプリセットがある(画像=右)

 「ライト」では画像が持っている色データを基に、露光量やコントラストの他、白い部分や黒い部分を選択して色味を変えられる。全体的にはっきりと見せたい場合には「白レベル」や「ハイライト」を下げて「黒レベル」「シャドウ」を上げるときれいになる。「カラー」ではホワイトバランスや彩度を補正でき、この項目もあわせて調整すれば、自分の狙った色味に近づけられる。

LightroomLightroom 白くなっていた部分の光を抑えて色味を調整した状態(画像=左)と、色温度を高くして写真を赤めにした状態(画像=右)

 「効果」では画像の質感を際立たせる「テクスチャ」やエッジを明瞭にする「明瞭度」、かすみの除去などを行える。画像の全体を見ているとわかりにくいため、ピンチイン/アウトで倍率を変えながら調整するとよい。「ディテール」でも同様に明瞭度などを調整できる。

LightroomLightroom 「テクスチャ」や「明瞭度」を上げると確かに画像の鮮明さは上がるが、きれいさは損なわれる。メモや資料として使う場合には有用だ

 「ジオメトリ」では、2本の線を引いて水平/垂直を補正する「ガイド付きupright」の他、レンズの影響で起きたゆがみなどを補正する「ゆがみ」などを使って画像を補正できる。補正中に生まれた余白は切り抜いて使う。

LightroomLightroom パースが付いた画像を補正した状態(画像=左)。さらにゆがみをかけようとすると不自然な画像になることもある(画像=右)

 最後に「プロファイル」ではいくつかのプリセットで色味を手軽に変えられ、「バージョン」では編集した状態を個別に保存しておける。保存した画像を複数のパターンで出力したい場合や、同じ設定で多数の画像を扱いたいときに便利だ。

LightroomLightroom 「プロファイル」を使えば手軽にグレースケールの写真や鮮やかな色味の写真に編集できる(画像=左)。バージョンは編集した設定に対して「名前を付けて保存」を行うようなもの(画像=右)

手軽に、きれいに撮りたいならLightroomで決まり

 Lightroomは無料で使える上に手軽な設定できれいな画像を出力でき、扱いやすいアプリだと思っている。iPhoneではHDR画像や深度マップを使用した画像も撮影でき、画像編集で遊び心も加えられるのが楽しい。

 機能をフルに使うにはPCとの連携や月額料金での利用も視野に入るが、スマホ単体で使っていてもSNSでのシェアでなら十分だろう。もし必要なら別のクラウドストレージを介してPCに転送するという手もある。

 筆者も重用しており、さまざまな場面で役に立つアプリだ。気になったらぜひ、インストールしてみてほしい。

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