日本市場攻略に本気のXiaomi 「Redmi Note 11」は5G非対応版も納得の理由:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
ミドルレンジモデルのコストパフォーマンスが評価され、徐々に日本での存在感を高めているXiaomi。同社は、2021年初のモデルとして、1月26日にグローバルで発表した「Redmi Note 11」を3月10日に発売する。そんなXiaomiが2022年に進めていくのが、さらなるローカライズだという。
ミドルレンジモデルのコストパフォーマンスが評価され、徐々に日本での存在感を高めているXiaomi。同社は、2021年初のモデルとして、1月26日にグローバルで発表した「Redmi Note 11」を3月10日に発売する。5000万画素のメインカメラを含む4眼カメラを搭載しながら、価格は2万4800円(税込み)。Xiaomiが得意とするコストパフォーマンスの高さを発揮した格好だ。
Xiaomiは、2021年に“再定義”をテーマに掲げ、2万円台前半の5Gスマートフォン「Redmi Note 9T」をいち早く投入したり、KDDIとタッグを組んで日本専用モデルの「Redmi Note 10 JE」を発売したりと、ラインアップを拡充してきた。フラグシップモデルとしては割安な「Xiaomi 11T/11T Pro」もラインアップに加えている。
そんなXiaomiが2022年に進めていくのが、さらなるローカライズだという。ここには、端末だけでなく、会社としての体制やマーケティング活動、さらには販路なども含まれる。ここでは、Redmi Note 11の特徴を紹介するとともに、同社の日本市場における戦略を解説していく。
ミドルレンジ並みのスペックをエントリレベルの価格で実現したRedmi Note 11
Redmi Note 11は、Xiaomiがボリュームゾーンの市場に向けて投入したスマートフォンだ。4Gモデルながら、プロセッサにはQualcommの「Snapdragon 680」を採用。5000万画素のメインカメラに加え、800万画素の超広角カメラや200万画素のマクロカメラ、200万画素の深度カメラも備える。深度カメラだけでは写真を撮ることができないため、実質的には3眼カメラだが、この価格帯の端末としては高いスペックといえる。
ディスプレイも“お値段以上”だ。2万円台の端末の場合、コストの関係で液晶になることも多いが、Redmi Note 11は6.43型の有機ELディスプレイを採用。しかも、リフレッシュレートは最大90Hzで、60Hzが標準のエントリーモデルよりスクロールや動画などの動きが滑らかになる。ボディーは樹脂製だが、塗装で硬質感をうまく再現しており、安っぽさは感じさせない作りだ。
OSはAndroid 12で、Xiaomiが独自に手を加えた最新の「MIUI 13」を採用する。MIUI 13はユーザーインタフェースなどの目立った変化は少ないが、端末の基本性能を向上させる深いカスタマイズが施されているという。「Liquid Storage(リキッドストレージ)」はその1つ。これはデフラグの効率を60%向上させる機能で、36カ月間使用したあとの読み込み、書き込み速度を95%に保つことができるという。一般的なAndroidは50%まで低下するというため、その効果のほどがよく分かる。
メモリ(RAM)の最適化を行っているのも、MIUI 13の特徴だ。一般的なAndroidの場合、アプリごとにメモリを管理しているが、MIUI 12では、アプリの中の細かな機能まで見て、必要なものだけを残すようにしているという。結果として、バックグラウンドの処理効率が40%向上。CPUの処理速度向上や、バッテリー寿命の向上といった機能もMIUI 12の特徴だ。
MIUI 13は、中国市場で発表した「Xiaomi 12」や「Xiaomi 12 Po」といったフラグシップモデルに採用されたAndroidのカスタマイズOSだが、ソフトウェアなだけに、他のモデルにも広げやすい。性能向上に関しては、もともとプロセッサの処理能力が高いフラグシップモデル以上に、エントリーモデルやミドルレンジモデルの方が恩恵は大きくなりそうだ。
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