「iPhone SE(第3世代)」は買いか? iPhone 13 ProやSE(第2世代)と使い比べて分かったこと(2/3 ページ)
発売されたばかりの「iPhone SE(第3世代)」を購入した。先代の「iPhone SE(第2世代)」や、よりスペックの高い「iPhone 13 Pro」と比べてどうか。実際の使い勝手や性能、現在のiPhoneラインアップで購入すべきモデルなのかについて検証した。
指紋認証(Touch ID)対応だが、優位性は薄れつつある
iPhone SE(第2世代)は指紋認証(Touch ID)により、新型コロナ禍や花粉症などでのマスク装着時のロック解除が便利として話題になった。この機能はiPhone SE(第3世代)でも継承している。
だが、現在はiPhone 13/12シリーズの顔認証(Face ID)もマスク装着時のロック解除に対応。便利さの差はほぼなくなり、マスク装着時の快適さを優先してiPhone SE(第3世代)を選ぶ必要はなくなった。好きなモデルを買えばいいだろう。
指紋認証(Touch ID)をホームボタンに搭載。だが、現在はiPhone 13/12シリーズの顔認証(Face ID)もマスク装着時のロック解除に対応。マスク対応で機種選びに悩む必要はほぼなくなった
最新モデルがマスク装着時のロック解除に対応する一方、非対応のiPhone 11シリーズやXS、XR、Xの不便さが目立つようになった。そろそろiPhone SE(第3世代)か、iPhone 13/12シリーズへの買い換えどきだろう。
なお、厳密には指紋認証だと目元を覆うサングラスなどの装着時でもロック解除が可能な他、ロック解除が必要なApple Payメインカードでの非接触決済時のロック解除からタッチへの流れがややスムーズといった利点はある。だが、こだわる人以外にとってはさほど大きな差ではない。
iPhone 13 ProやSE(第2世代)と比べてパフォーマンスはどう?
ここからは、5GやA15 Bionicのパフォーマンス、カメラ機能について、他のiPhoneと比較していこう。
5GはSub-6や4Gからの転用周波数帯に対応。ただ、最大通信速度はiPhone 13シリーズと異なる。ドコモやauの場合、iPhone 13シリーズは4×4MIMO対応アンテナ搭載で下り最大4.2Gbps(auは2022年春以降のアップデートで提供開始)、上り最大218Mbpsでの通信に対応する。だが、iPhone SE(第3世代)は2×2MIMO対応アンテナ搭載で、下り最大1.3Gbps前後、上り最大218Mbps前後と下りの最大速度がやや劣る。
実際に5Gが高速なドコモのSubー6エリアと、auの4G周波数帯を5Gに転用したエリアで比較したところ、特に下り速度はiPhone 13 Proの方がやや高速だった。とはいえ、両方とも元の速度が十分高速なので、体感できるほどの速度差ではない。
処理性能について、iPhone SE(第3世代)はA15 Bionicと4GBのメインメモリを搭載している。そこで、同じプロセッサでGPUが1コア多い5コアのiPhone 13 Pro、「A13 Bionic」搭載のiPhone SE(第2世代)、まだ若干だがセール品が見られる「A14 Bionic」搭載の「iPhone 12 mini」の4機種でAntutuベンチマークスコアを比較した。
結果、iPhone SE(第3世代)のA15 Bionicは確かにスマホ全体でも上位クラスの処理性能を持つ。だが、同世代プロセッサ搭載のiPhone 13 Proよりスコアが低く、1世代前のA14 Bionicを搭載のiPhone 12 miniとほぼ同じスコアとなった。前機種iPhone SE(第2世代)と比べるとスコアに約1.26倍の差がある。
とはいえ、iPhone SE(第3世代)ほどの処理性能があれば、負荷の高いアプリやmiHoYoの「原神」のような高画質ゲームアプリも快適に動作する。販売価格を考えれば非常に高性能だ。処理性能に限れば、購入後に不満を感じることはないだろう。
バッテリーの持ちだが、スペック表のビデオ再生時間だとiPhone SE(第3世代)は15時間だ。前機種iPhone SE(第2世代)の13時間より2時間長い。だが、どちらにせよ外出時に動画視聴やアプリをヘビーに使うと、途中でバッテリー切れが気になってくる。長時間の外出時はモバイルバッテリーも持ち歩くようにしよう。バッテリー持ちが気になるならiPhone 13のビデオ再生時間19時間など、上位機種を選んだ方が無難だ。ややヘビーに使っても1日の外出中にバッテリー切れを起こすことは少ない。
関連記事
- 「iPhone SE(第3世代)」は何が変わった? 第2世代とスペックを比較する
3月18日に発売される「iPhone SE(第3世代)」と、先代の「iPhone SE(第2世代)」のスペックを比較する。外観は見分けがつかないほど同じで、Touch IDも継承している。一方でプロセッサ、通信性能、カメラ機能などがバージョンアップしている。 - 「iPhone SE(第3世代)」と「iPhone 12 mini/13 mini」を比較 今買うならどれ?
Appleは3月18日、新型スマートフォン「iPhone SE(第3世代)」を発売する。前世代モデルのフォルムを踏襲しつつ、初めて5Gに対応した。一方で、iPhoneの現行ラインアップには、5G対応でサイズ感の近い小型モデル「iPhone 12 mini」「iPhone 13 mini」もあるので、3機種を比較した。 - 「iPhone SE(第3世代)」と5万円台前後のAndroidスマホを比較 どれだけ違う?
3月18日に発売された「iPhone SE(第3世代)」と、同じ価格帯のAndroidスマートフォンを比較。本体サイズはiPhone SE(第3世代)が最も小さい。最上位プロセッサを搭載していることも強みといえる。 - どこで買うと一番安い? 「iPhone SE(第3世代)」の価格まとめ
3月11日22時から「iPhone SE(第3世代)」の予約販売が始まる。そこで、Appleと大手キャリアにおける端末販売価格を簡単にまとめた。参考になれば幸いだ。 - 第2世代よりも“売れる条件”が整った「iPhone SE(第3世代)」 市場への影響は?
約2年ぶりとなるiPhone SEの新モデルが3月18日に発売される。もともと同モデルは、過去に人気の高かったiPhoneの本体デザインをそのまま利用しつつ、中身、特にプロセッサを最新のiPhoneにそろえているのが特徴だった。約2年間売れ続けたロングセラーモデルだっただけに、第3世代にも期待が集まる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.