「AQUOS R7」実機レポート、“じゃじゃ馬”だった先代の弱点克服で死角なし?(3/5 ページ)
シャープは9日、フラグシップモデル「AQUOS R7」の実機レポート。1インチカメラ&高性能ディスプレイは維持しつつ、前モデルの弱点を補い、魅力を高めている。同日開催されたメディア向け体験会から、実機の仕上がりをレポートする。
今回もライカの監修で画質を決定
体験会では、カメラ機能の開発担当者からAQUOS R7での画質監修がどのように行われているかを聞くことができた。大まかな流れとしては、AQUOS R7の試作段階の機体をドイツにあるライカカメラ社に送付し、ライカのエンジニアがさまざまなシーンで撮影し、官能評価を行う形式だ。
担当者いわく「ライカは良いところはコメントせず、悪いところを的確に指摘してフィードバックしてくる」という。指摘された部分を改善したソフトウェアを送り、フィードバックをもらうという検証を繰り返し、まるで禅問答で教えを請う僧侶のようなやりとりだが、カメラ画質の向上に着実につなげているという。
なお、発表会が行われた5月9日時点では、カメラの基本的な操作を試すことはできたが、カメラ機能については開発途上のようで、新しいポートレートモードの検証や、実際に写真を撮影して保存することなどはできなかった。7月上旬以降の発売時点で、カメラの作り込みが進んでいることを期待したい。
カーブディスプレイ廃止で誤操作の心配が解消
ディスプレイのパネルそのものは前世代機と同等で、「Pro IGZO OLED」と呼ばれる、シャープ国内工場製の6.6型の有機ELディスプレイを採用している。ピーク輝度2000ニトの高輝度表示から、HDR 10/Dolby Visionのサポート、1〜120Hzの可変駆動、黒画面挿入による240Hz相当の滑らか表示などに対応する。要するに、明るく色鮮やかな表示や、滑らかな画面スクロール、省電力性能といった要素を兼ね備えたスマホのディスプレイの中でも最高クラスの性能を備えている。
AQUOS R7でディスプレイの最大の変更点は、フラットタイプに回帰したことだ。前作AQUOS R6は側面部が湾曲したカーブディスプレイを取り入れていたが、曲率が高めで画面端がゆがんで表示されていた点や、発売時点のソフトウェアでは側面部の誤操作が頻発していた点がユーザーの不満点となっていた。フラットディスプレイに回帰したことで、画面枠がやや目立つものの、操作時のストレスは大きく改善されるだろう。
より省電力になったアイドリングストップ 画質改善の新機能も
また、ディスプレイはパネル以外の部材の改良により、省電力性が高まっているという。IGZO特有の「アイドリングストップ」の改善だ。IGZOディスプレイでは動きのない画面では書き換え速度を1Hzまで低下させて、動きの多いシーンでは120Hzまで可変駆動させる。この書き換え速度を落とす頻度を上げたことで、より消費電力を削減できるという。
さらに注目の新機能もある。動画再生時に適用できる「AI超解像」と「フレーム補間」という2つの機能だ。AI超解像は、フルHD以下の動画をAI処理でアップコンバートして再生する。フレーム補間は30FPS以下の動画のコマ間のシーンをAI処理で補間して、滑らかな動きで表示するというものだ。スマホ本体で撮影した動画のほか、YouTubeやTikTokなどの動画にも適用できる(NetflixなどのDRMコンテンツには非対応)。良いディスプレイの性能を生かして、動画の品質を高めるという、シンプルな発想ながら実用的な機能といる。
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