シリーズ最上位「Redmi Note 11 Pro 5G」もコスパの高さは健在 “ファンの巻き込み”にも注目:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
Xiaomiは、5月30日にミッドレンジモデルの「Redmi Note 11 Pro 5G」を発売する。Redmi Note 11シリーズの最上位に位置付けられる端末で、カメラにはフラグシップモデルと並ぶ1億800万画素のセンサーを採用する。徐々に日本市場での存在感を高めつつあるXiaomiが、次の一手として送り出すのが「Xiaomiモノ作り研究所」だ。
グローバル版ベースだがおサイフケータイ対応、コスパの高さも健在
グローバル版との違いは、おサイフケータイに対応しているところにある。Xiaomiは、モデルごとにカスタマイズの度合いを変え、主に3つのバリエーションで設けている。1つ目が、ほぼグローバル版そのままの端末で、先に挙げたRedmi Note 11などがこれに当たる。もう1つが、日本専用モデル。KDDIとともに開発した「Redmi Note 10 JE」はその一例で、おサイフケータイに対応しているのはもちろん、防水・防塵(じん)やプロセッサの選定まで、日本市場の状況が考慮されている。グローバルに同型番のモデルがないという点で、ローカライズを徹底した端末といえる。
その中間に位置付けられているのが、Redmi Note 11 Pro 5Gのように、おサイフケータイなどのニーズが高い日本向けの機能だけを搭載したモデルだ。2021年に発売され、オープンマーケットでヒットを記録したMi 11 Lite 5Gも、同様の手法で開発されている。Redmi Note 10 JEのようなフルカスタムとは異なり、グローバル版をベースにしつつ、おサイフケータイなどのニーズが特に高い機能だけを日本仕様に載せ替えたのがこれに当たる。もともとグローバルでの評価が高い端末をベースにすることが多いだけに、Mi 11 Lite 5Gのような売れ筋になる可能性が高い。
実際、同じSnapdragon 695 5Gを採用するミドルレンジモデルと比べると、Redmi Note 11 Pro 5Gは価格か機能のどちらかで優位性がある。例えば、ソニーの「Xperia 10 IV」は、ドコモ版が6万4152円。シャープの「AQUOS sense 6s」はau版が4万470円で販売されている。これに対し、Redmi Note 11 Pro 5Gのオープンマーケットでの価格は4万4800円。一見すると、AQUOS sense 6sより高めだが、1億800万画素のカメラや120Hzのディスプレイなど、ハイエンド譲りの機能を備えることで差別化を図っている。
同様に、おサイフケータイのみをカスタマイズしたMi 11 Lite 5Gとの違いは、キャリアに採用されたことだ。その意味では、4月にソフトバンクとオープンマーケットの両方で発売された「Redmi Note 10T」に位置付けは近い。Redmi Note 11 Pro 5Gは、楽天モバイルが取り扱い、オープンマーケット版とは別モデルとして販売される。これまでもXiaomiの製品は、楽天市場では販売されていたものの、楽天モバイルが取り扱うのは初めてのことだ。
過去にKDDIやソフトバンクが販売してきたモデルとは異なり、オープンマーケット版との差は「カラーバリエーション以外、基本的にはない」(シャオミジャパン プロダクトプランニング部 本部長 安達晃彦氏)。一方で、ソフトウェアには差分もあり、「Rakuten Linkをはじめとするプリインストールアプリの搭載や、楽天モバイルのネットワークや楽天モバイルが期待する(ネットワークの)挙動への対応を行っている」(同)という。
KDDIやソフトバンクに続き、楽天モバイルが採用したことで、同社の製品を販売していないのはドコモだけになった。新規参入メーカーとしては異例の速さでキャリア市場を拡大できているのも、端末のコストパフォーマンスが評価されているからだろう。一方で、価格競争力のある端末を投入するのは、Xiaomiの特徴の1つでしかない。同社の強みは、ファンのコミュニティーが厚いところにもある。グローバルでは、ファンマーケティングを徹底していることでも知られる。日本でも、「Xiaomi Fan Festival」を開催し、端末の割引セールを行ってきた。
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