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インタビュー

Xiaomiのスマホ投入が2021年よりも「慎重」な理由 楽天モバイルとは「DNAが非常に似ている」(1/3 ページ)

5月30日に発売したXiaomiの「Redmi Note 11 Pro 5G」は、オープンマーケットだけではなく楽天モバイルでも取り扱っている。実は以前から、楽天モバイルを契約してXiaomiのスマートフォンを使っている人が多いという。ユーザーからの意見を募り、製品開発に生かしてくイベント「Xiaomiモノ作り研究所」には、想定を超えるユーザーから応募があったそうだ。

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 Xiaomiは、グローバルで1月に発表したRedmi Note 11シリーズを、立て続けに日本に投入している。3月には標準モデルとも呼べる「Redmi Note 11」をオープンマーケットで発売。5月30日には、5G対応の最上位モデルである「Redmi Note 11 Pro 5G」の販売も始まった。先に発売されたRedmi Note 11はグローバル版に近い仕様で、そのぶん価格を抑えていたが、Redmi Note 11 Pro 5GはFeliCaを搭載し、おサイフケータイに対応。オープンマーケットだけでなく、楽天モバイルでの取り扱いも始まり、KDDI、ソフトバンクに続き、納入先のキャリアを広げた。

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楽天モバイルも取り扱うことになった「Redmi Note 11 Pro 5G」

 Redmi Note 11 Pro 5Gの発売に合わせ、Xiaomiは「Xiaomiモノ作り研究所」と呼ばれるユーザーミーティングも開始する。実際の研究施設を設立するわけではなく、あくまでイベントの一環だが、ここでは、実際のユーザーからの意見を募り、製品開発に生かしていくという。日本市場に投入する端末の選定や、日本向けのカスタマイズをどう施していくのかを検討する場として、このイベントを生かしていく方針。募集は6月2日までで、イベントの開催は夏を予定する。

 おサイフケータイに対応した新モデルの投入や、取り扱いキャリアの拡大、オフラインイベントの実施など、着々と日本市場への浸透を進めているXiaomi。そんな新モデルの特徴や、同社の日本市場にかける意気込みを、Xiaomi Japanで代表取締役を務めるスティーブン・ワン氏とプロダクトプランニング部 本部長の安達晃彦氏にうかがった。

国際情勢や経済状況を鑑み、2022年は製品を絞って投入

―― Redmi Note 11 Pro 5Gを発売しました。Redmi Note 11に続き、このモデルを日本に投入した背景を教えてください。

安達氏 1月末にグローバルでRedmi Note 11シリーズを発表し、3月時点ではその中でいち早くお届けできるRedmi Note 11を投入しました。今回は、楽天モバイルを通じて製品をお届けできるのをうれしく思っているのと同時に、日本向けのカスタマイズを一部入れて発売します。もともと、Redmiはフラグシップの機能をお求めやすく提供するというチャレンジングなシリーズです。2.4億台以上の売り上げを達成している、好評のシリーズです。その中で、一番コストパフォーマンスが高く、ユーザー体験として上位のものをお届けしたいということで投入に至りました。

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プロダクトプランニング部 本部長の安達晃彦氏

―― フラグシップの機能というのは、具体的にはカメラや5Gのことだったりするのでしょうか。

安達氏 カメラに関してですが、1億800万画素のセンサーはここしばらく使い続けてきました。常にリファインもしています。今回、じっくりご覧になっていただき、分かりやすいのはディスプレイです。ディスプレイがすごくきれいな有機ELで、明るく、パキッとした映像が出せます。設定していただく必要はありますが、リフレッシュレートも120Hzです。大画面の端末なので、画質の良さは非常に重要です。これは誌面ではなかなか伝わらないので、ぜひ店頭で体験していただければと思うポイントです。

 もう1つは、グローバルで独自の特徴として展開してきた急速充電技術です。上位モデルの「Xiaomi 11T Pro」では120W、「Xiaomi 11T」では67Wの急速充電を提供してきましたが、この急速充電の体験をミッドレンジモデルでもしっかりベネフィットとしてご提供したかった。昨今では充電器が入っていないモデルも多いですが、こちらには同梱しているため、お求めいただいた価格のままで使えます。もちろん、充電器はこのモデルだけでなく、お使いのラップトップなども充電できます。

 体験してみると、これがすごくパワフルで、朝起きて支度をしている間に充電が終わっています。Xiaomiでは15分の充電で約半分とご案内していますが、それ以上に体感での速さを感じていただけるのではないでしょうか。

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1億800万画素のカメラや120Hz駆動対応の6.67型有機ELなど、Redmi Note 11 Pro 5GはRedmi Note 11シリーズの中でも高いスペックを誇る

―― 昨年(2021年)、近い時期に「Mi 11 Lite 5G」を発売しました。こちらも、グローバル版にFeliCaだけを入れたミッドレンジモデルという意味で、Redmi Note 11 Pro 5Gに位置付けは近いと思います。役割的には、あのモデルの後継機に近いのでしょうか。

安達氏 確かにご案内している価格は近いのですが、Redmi Note 11 Pro 5GはRedmiシリーズの最上位という位置付けで、いろいろなものを詰め込んだハイスペックなモデルです。一方で、Mi 11 Lite 5Gは、今はXiaomiシリーズという名称で、スタイリッシュモデルという位置付けになります。商品を見比べていただくと分かりますが、いでたちというか、デザインの方向性がまったく違います。今後、いろいろな商品を展開する中で、そういったシリーズ(Xiaomiシリーズ)も検討していきたいと考えています。

ワン氏 私からは、昨年のロードマップと今年(2022年)のロードマップの違いをお話しします。昨年は、初めて日本で完全に近いロードマップを提供できました。エントリーモデルからハイエンドまでを提供できたからです。昨年はMi 11 Lite 5Gとスペックの近い「Redmi Note 10 Pro」を発売したのはなぜか、というご質問をいただきました。価格帯が非常に近いからです。昨年時点では、日本市場についてそれほど深い知識があったわけではなく、複数モデルを発売し、どんなスペックでどのぐらいの価格帯の製品が消費者に一番刺さるのかということを見ていました。

 こうした昨年の取り組みの結果を踏まえ、今年は製品ロードマップでできるだけSKUを絞り、いくつかの端末にフォーカスすることにしました。今年の方が保守的で、慎重になっているともいえるでしょう。なぜかと言うと、昨年と比べ、国際情勢や経済状況を楽観視できなくなっているからです。実際、今年に入ってから戦争が起き、為替も激しく変動していますし、中国ではコロナもいまだに流行しています。状況は、予測以上に悪くなっています。慎重にいくと決めたのは昨年ですが、結果としてそれは正しかったと思います。

 このような背景で、製品をどう選ぶかを考え、ロードマップを展開してきました。しかし、この様子を見ると、さらに慎重になり、SKUを減らしても、きちんとユーザーに価値を提供した方がいい。結果として、Redmi Note 11と11 Pro 5Gの2つを選び、オープンマーケットと楽天モバイル(楽天モバイルはRedmi Note 11 Pro 5Gのみ)の2つで販売することになりました。

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Xiaomi Japanのスティーブン・ワン代表
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