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ドコモに聞く「dポイントクラブ」改定の背景 なぜ契約年数を条件から撤廃したのか?(3/3 ページ)

NTTドコモの共通ポイント「dポイント」の新たな会員プログラムがスタートした。これまでの「ステージ制」から「ランク制」となり、ランクアップの仕組みや特典が大幅に変更された。このランク制の導入には「『dポイントがたまる、使える』をもっと実感してほしい」という背景があったという。

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加盟店を拡大し、たまりやすいことを認識してもらう

 利用促進のためには、加盟店の拡大も欠かせない。コンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアなど、dポイントの利用が可能な店舗は拡大している。南部氏も、「新しいユーザーとの接点が一番多いのは加盟店」と指摘。dポイントへの接点がない人も、店舗でお得になることで使ってもらえるように、加盟店拡大は今後も重視する。

 大手チェーンだけでなく、地場のスーパーや地域密着店、地元でよく使われる店というのがあるので、そうした店舗にもd払いを含めてdポイントの導入を進める。こうした点では、自治体とのキャンペーンも重要で、キャンペーンを契機に地域の小規模店舗でも導入を目指す。

 中小・個店では特に、d払いの決済手数料や付与するdポイントの購入が必要になるため、負担が増える。それには、マーケティングの支援、送客といったメリットを提供。現在も「スーパー販促プログラム」として、クーポンなどのサービスも提供しているが、「まだまだ足りないところはある」と南部氏。現時点で詳細は明らかにされなかったが、加盟店向けにも、今後取り組みを強化していく方針だ。

 ドコモは、dポイントのたまる決済手段としてd払いとdカードがあり、三位一体で決済事業の拡大を担っているが、加えて、金融事業への拡大も目指している。銀行では三菱UFJ銀行との合弁会社を設立予定で、ポイント投資や保険なども手掛けているが、基本的には提携によるサービス展開となっている。

 他の共通ポイント陣営が金融事業もグループ内に抱えている中、ドコモの戦略は「提携だけでなく、その都度どの形で展開するのが最適かを検討して広げていく」(同)としている。

 ポイント投資をはじめとして金融事業への展開は、「ためる」だけでなく「使う」ことにもつながる。新会員プログラムでは「『たまる』に注力した」と南部氏が認めている通り、「まずは使ってもらってたまりやすいことを認識してもらう」という位置付けで、続いて「使う」に対する取り組みも検討しているという。

 使える場所(加盟店)を増やすだけでなく、ポイントの出口をいかに拡大するか。南部氏は、ポイント投資への利用拡大を目指すだけでなく、「いろいろな取り組みを発表したい」と話している。

 なお、新会員プログラムになったことで、今後大規模キャンペーンを縮小していくのかという問いに対して南部氏は、「全部やめるというわけではなく、ブーストできない部分では、やはりキャンペーンが必要」との認識。動向を見ながら、キャンペーンの実施も検討していくそうだ。

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