アンカー、独自充電技術「GaNPrime」発表 複数ポートでの高出力化と小型化を両立(1/2 ページ)
アンカー・ジャパンは7月26日、モバイル充電ブランド「Anker」の独自充電技術「GaNPrime」と、その対応製品を一挙発表。主な特徴として、100W以上に対応する超高出力と小型化、安全性の追求、複数ポートへの電力を最適に配分し、電力効率を極限まで高めたことを挙げている。対応製品も発表した。
アンカー・ジャパンは7月26日、モバイル充電ブランド「Anker」の独自充電技術「GaNPrime」と、その対応製品を一挙発表した。
GaNPrimeは「電源ICの分離配置」「PCBA 3D スタッキング」「PowerIQ 4.0」「Dynamic Power Distribution」「ActiveShield 2.0」を組み合わせた技術総称。それらにより実現した主な特徴として、同社は100W以上に対応する超高出力と小型化、複数ポートへの流動的な電力配分による充電の効率化、安全性の追求を挙げている。
GaNPrimeの1つ目の特徴となる100W以上に対応する超高出力と小型化。これを実現したのが電源ICの独自レイアウトだ。GaNPrime搭載の100W以上の充電器には従来品に用いられる一体型の電源ICではなく、分離配置が可能な制御IC、GaNトランジスタを採用。これらはGaNのリーディングカンパニー、下記5社とのパートナーシップを締結したことで実現したと同社は説明している。
- infineon
- Southchip
- innoscience
- Navitas
- ISMARTWARE
各社最先端の電源ICを組み合わせることで、熱源の分散だけでなく、構造上の自由度が増し効率的な立体配置も可能に。
それに加え、回路構造の最適化を行うPCBA 3Dスタッキングも採用。電源ICの分離配置により生まれた空間を有効活用し、自由なレイアウトを可能にするだけでなく、電力密度を極限まで高めたとしている。さらに、電源ICによりエネルギー効率94.1%と業界最高水準を達成した。
これらの組み合わせにより、放熱性の向上と自由度の高い組み立てが可能になり、本体の小型化に成功した。
また、接続した機器を即座に認識し、その機器に達した最大速度での充電を可能にするAnker独自技術PowerIQが4.0へ進化。PowerIQ発表当初(2014年)は最大出力が12Wだったが、継続的な研究開発により、PowerIQ 2.0、そして3.0へと進化し、4.0では100W以上の超高出力に対応した。
PowerIQ 4.0は高出力の対応に加え、GaNPrimeの2つ目の特徴である、充電の効率化に寄与している。
接続された各USB Type-Cポートで必要な電力を電源ICが毎秒感知し、接続機器がその際に必要な電力に合わせて供給電力を調整する、PowerIQ 4.0の新機能Dynamic Power Distributionも備わる。「複数ポートの充電器に搭載される機能で、従来製品で設けられていたポートごとの上限W数を取り払い、電力を最適かつ流動的に配分し続けることで、効率よく機器を充電できる」(同社)としている。
そして、同社は充電器の高出力化に伴い、安全性をさらに高めるべく、ActiveShield 2.0を搭載。従来製品にも搭載されているActiveShieldは、継続的な温度管理機能と出力の制御によって接続された機器を保護するもので、バッテリーの劣化、寿命への影響を軽減する機能だ。2.0では温度管理の精度を高めたことで、温度上昇の監視回数が従来の2倍となる1秒間に35回、1日で300万回にまで増加。充電器本体の熱が規定の温度に達した場合、電流/電圧の負荷度合いを調整することで、過度な温度上昇を未然に防ぐ。
また、充電器の表面温度を一定に保つ国際標準規格IEC 62368-1に準拠している。それ以外にも、過電圧保護、ショート防止、温度管理など、同社独自の多重保護機能に加え、電気用品安全法で定められている基準にも適合していることも合わせてアピールしている。
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