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iOS 16のカメラはポートレートモードの“前ボケ”が可能に荻窪圭のiPhoneカメラ講座

iOS 16では写真の切り出し機能が注目されているが、実はカメラ機能もアップデートされている。それは、ポートレートモードで前ボケをかましてくれるようになったことだ。撮影前のプレビューでもボケをリアルタイムで見せてくれるのがいい。

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 iOS 16では写真の切り出し機能が注目されているが、実はカメラ機能もアップデートされている。それは、ポートレートモードで前ボケをかましてくれるようになったことだ。

 ポートレートモードってもうすっかりなじんでいるのだけど、使ってみると分かるのは「背景はボカしてくれるけど、前景はそのまんま」なのである。

 光学的な「ボケ」はピントが合っていない範囲に生じるもので、当然被写体の背景のみならず手前にあるものにも発生すべきなのだが、iOSのポートレートモードは手前を無視していたのだ。

 で、iOS 16ではしれっと手前もぼかしてくれるようになったのである。こちらはほぼ同じようなセッティングでiPhone 13 Pro+iOS 16とiPhone 11 Pro+iOS 14で撮り比べたもの。iOS 16のポートレートモードで撮ると、背景のボケは変わらないけど、前景のボケが大きく違うのが分かると思う。

iOS 16
左がiOS 16、右が旧バージョンでポートレートモード(カメラは1x)で撮り比べたもの。手前のボケの差に注目。

 撮影前のプレビューでもボケをリアルタイムで見せてくれるのがいい。

iOS 16
この時点で手前も奥もボケているのが分かると思う。前ボケは新しい機能だ
iOS 16
実際にポートレートモードで撮影した写真。主要な被写体にだけフォーカスが来ていて全体にすっきり

 ちなみに、通常の写真モードで撮ったものはこちら。

iOS 16
ポートレートモードは使わず、通常の写真モードで撮影。前後のボケがないぶんごちゃっとしている

 写真を撮るとき、前ボケを上手に使え、ってのは昔からよくいわれることだしな。

iOS 16
iPhone 13 Proの3xのポートレートモードで。地味だけど、こういう奥行きのあるシーンでは前ボケはとても重要なのだ

 残念なのは「前ボケ」だけを楽しむ撮り方ができないこと。相変わらずポートレートモードでは遠景を撮ろうとすると「2.5m以内に被写体をおいてください」といわれるのだが、遠景を撮影しつつ手前の被写体を大きくぼかした「わざと近距離にある前景をぼかして印象づける」写真もあるわけで、ぜひアップデートでそういう撮り方にも対応していただきたいと思う次第である。

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