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コラム

ahamoで実現したApple Watch単独通信、povoやLINEMOで実現しないワケ(2/2 ページ)

iPhoneとApple Watchユーザーなら気になるであろうApple Watch単独通信。スマートフォンが手元になくてもApple Watchだけで通話したり、データ通信サービスを用いてストリーミングサービスへアクセスしたりできる。公開資料からpovoやLINEMOで実現しない理由を読み解く。

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MVNOがApple Watchの単独通信を利用できない理由は?

 ではMVNOはどうなのか? よく一般的な推測の1つとして、取り上げられるのが「AppleとApple Watchを取り扱う事業者の関係性」だ。

 この点について、Apple Japanは「AppleとMNOの関係というよりは、MVNO経由でApple Watchがどれぐらい売れるのか、そこに投入するためのリソースにどれぐらいコストがかかるのか、というビジネス上の判断にならざるを得ないのではないか」としている。

 それに加え、動作保証ができない点も、MVNOでなかなかApple Watch単独通信が実現しない理由の1つといえる。

 過去の記事で、IIJmioなどのサービスを運営するインターネットイニシアティブ(IIJ)の広報部 副部長 兼 MVNO事業部 事業統括部シニアエンジニアの堂前清隆氏はこう述べている。

 Apple以外のSIMロックフリースマートフォンについては、開発元のメーカーや国内代理店が窓口となって情報交換が行われます。IIJでも動作確認用の端末を借用し、動作確認を行い、何か問題があればメーカーにフィードバックをしています。そのやりとりの中で回避方法の検討や、ファームウェアの修正などを行う場合もあります。

 ところが、Apple製品についてはMVNOがコンタクトできる窓口がなく、動作確認のために端末を借用することもできませんし、仮に問題が見つかったとしてもそれをフィードバックすることもできません。動作確認のための端末入手は、皆さんと同じように予約解禁日にスタッフが端末にはり付いて予約を行い、発売当日朝にApple Storeに並んで端末を受け取っています。

 つまり、技術的なハードルだけでなく、コストの問題、それにApple Watchの情報がない――という大きく3点が乗り越えるべきハードルだといえる。もっとも「Apple Watchについての詳細な情報がない以上、この件についても明確に回答できない」(堂前氏)ゆえに、MVNOでApple Watchの単独通信が実現しない理由は、いまだ謎に包まれたままなのだ。

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