Pixel Watchには何が足りない? Apple Watchユーザーが見た課題
Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」。Apple Watchユーザーが見た課題は何か。マップ、決済、心電図機能?
Google初のスマートウォッチ「Pixel Watch」。次世代のWear OS by Googleを搭載し、丸型でドーム形状のデザインを採用したスマートウォッチだ。健康やフィットネスの管理機能、Google アシスタントなどのGoogleサービスに加え、LTEモデルならauもしくはソフトバンクの通信サービスを契約できる。
入手から約2週間使って分かったことをまとめてみた。
筆者がスマートウォッチを手にするのはこれが初めてではなく、長年「Apple Watch」を使い続けている。それはiPhoneユーザーだからだ。でもPixel Watchを短期間使った結論からいうと、Apple Watchを使い続けたくなってしまった。
Apple WatchにあってPixel Watchにはないもの
まずはその理由その1。多くのApple WatchはiPhoneとペアリングして使う。Pixel Watchもそうで、基本的には対応するAndroidスマートフォンとセットで使う。両OS対応に期待していただけにそれぞれ対応OSが限られているのは残念。これを何とかPixel WatchもiPhone対応を果たしてほしかった。
そう、既にこの時点で、Apple Watchからわざわざ乗り換えよう、とは思えない。
理由その2はマップだ。筆者自身はApple Watchでマップを使わない(あの小さい画面を見ながら歩かない)が、どうしてもiPhoneがカバンやポケットから取り出せない状況があると思う。そんなときに手元の時計がナビゲートしてくれたら便利だ。
Apple Watchだと音声ナビゲートしてくれるので、小さい画面で目的地や目印になる場所が見づらくても、なんとかなる。これはスマートウォッチ初見でほれた機能の1つ。今でも使っている。だが、Pixel Watchはセルラーモデルでさえもマップで目的地まで誘導してくれない。
続いて理由その3。それは充電だ。以前に記事化したように、Pixel Watchは純正、付属する充電器以外の動作が保証されていない。Googleいわく付属の充電器でしかPixel Watchを充電できないそうだ。サードパーティー製のものは数多く出回っていないが、その点Apple Watchはカバーしている。
理由その4はSuicaだ。Pixel WatchはWear OS搭載端末としては初めてSuicaに対応したが、定期券やオートチャージ、Pixel Watch上からのチャージは行えない。しかもPASMOやiDなどには対応しない。この点もApple Watchに軍配が上がる。
理由その5は計測できる項目が少ないこと。例えば、Apple WatchやFitbitで対応している、エクササイズの自動検出だ。ユーザーが何かしらの運動を始めたことを検知し、エクササイズモードを自動で起動してくれる、ということがPixel Watchではできない。
そして惜しいポイントが心電図機能(ECG)。Pixel Watchも搭載しているが、日本では認可が降りていないため、まだ利用できない。不整脈の通知で病気の早期発見に至った事例はいくつか報じられているのでこれは期待したいところ。なお、この点に関してはPixel Watchのデメリットではなく認可次第といえる。
出費を抑えるならPixel Watchでもいい
このようにApple Watchユーザー視点でPixel Watchを見ると、予想以上に使えない、対応していない機能がいくつかある。その一方でウォッチフェイスはシンプルなものが多く、Apple Watchほど複雑ではない。通知やコントロールパネルは四角い画面のApple Watchの方が見やすいが、Pixel Watchの丸形がダメなのか?というとそうでもない。慣れればこれでも使えると感じる。
そして何といってもPixel Watchの魅力は円安が大きく反映されていない価格だ。Apple Watch SE(第2世代)が3万7800円(税込み、以下同)から、Series 8が5万9800円からに対し、Pixel Watchは3万9800円からとSeries 8よりも安い。機能面ではApple Watchに及ばないが、これくらいシンプルなものの方が、手を出しやすいと考える人もいるだろう。
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