10段階の可変絞りカメラ搭載 5G非対応でも「HUAWEI Mate 50 Pro」の完成度は高い:山根康宏の海外モバイル探訪記
Huaweiのフラグシップモデル「Mate」シリーズの最新機種「Mate 50シリーズ」が2022年9月にようやく発売されました。カメラについてはライカとの協業が終了したものの、Huaweiの技術の集大成として「XMAGE」ブランドを立ち上げました。6枚羽根による多段階絞りに対応し、絞りを手動で多段階に調節できます。
Huaweiのフラグシップモデル「Mate」シリーズの最新機種「HUAWEI Mate 50シリーズ」が2022年9月にようやく発売されました。先代の「HUAWEI Mate 40シリーズ」が登場したのは2020年10月ですから、約2年ぶりの登場となります。
米国政府による制裁は解除される様子はなく、また2022年に入ってからはライカとのコラボレーションも終了。Huaweiを取り巻く環境は引き続き厳しいものがありますが、2年ぶりの新製品は期待を裏切らない出来栄えになっています。
Mate 50シリーズは「Mate 50E」「Mate 50」「Mate 50 Pro」そして「Mate 50 RS Porsche Design」の合計4モデル。ポルシェデザインとのコラボが引き続いているのはうれしいところ。今回は上位モデルMate 50 Proを触ってみました。
Mate 50 Proは6.74型ディスプレイにSnapdragon 8+ Gen 1 4Gを搭載。引き続き5Gには非対応です。背面のカメラはサークルの中にカメラを配置するMateシリーズおなじみのデザイン。ただMate 40シリーズよりも4つのカメラは中央に寄っています。これはHuaweiから分離独立したHonorの「Magic」シリーズがMateシリーズのデザインを踏襲しており、差別化するためにHuawei側が新Mateでイメチェンを図ったのかもしれません。
ディスプレイは側面の角を落としたエッジデザイン。側面から見るとそれほどディスプレイは回り込んでいません。なお、正面を見るとiPhoneシリーズと似たノッチがありますが、インカメラは1300万画素とToFの2つでセルフィー性能も強化されています。
Mate 40シリーズはAndroid OSベースのEMUIでしたが、Mate 50シリーズは2021年発表のHarmonyOSを搭載。その最新バージョンであるHarmonyOS 3を搭載します。今回はあまり同OSの機能を試すことはできませんでしたが、ホーム画面のウィジェットのカスタマイズ性が高まり、また他のHarmonyOS機器との連携もスムーズになっています。
さて、カメラについてはライカとの協業が終了したものの、Huaweiの技術の集大成として「XMAGE」ブランドを立ち上げました。今後はカメラメーカーの力を借りずにスマートフォンのカメラ性能を自社で引き上げていきます。Mate 50 ProもXMAGE技術を搭載していますが、本体にはそのロゴが入っていないのがちょっと残念なところ。カメラの操作性は従来のHuaweiのスマートフォンと変わりません。
そしてカメラは、6枚羽根による多段階絞りに対応しました。これにより、絞りを手動で多段階に調節可能です。絞り調整可能なスマートフォンとしては、最近ならソニーの「Xperia PRO-I」がF2.0とF4.0の切り替えに対応、また以前ならサムスンの「Galaxy S10」などがF1.5とF2.4の切り替えに対応していました。Mate 50 ProではプロモードにすることでF1.4、F1.6、F1.8、F2.0、F2.2、F2.5、F2.8、F3.2 、F3.5、F4.0と、業界初の10段階の切り替えが可能です。
レンズ部分からは絞りが動く様も見ることができます。F4とF1.4で絞りの開きが大きく違っていることも分かります。機械式の絞りはまだまだ主流ではありませんが、恐らくHuaweiは今後の上位モデルに標準搭載していくと思われます。この可変絞りもXMAGEの1つの機能になりそうです。
絞りを変えて撮影してみました。店舗内なので簡易的な作例になりますが、確かに背景のボケ具合は変わっています。撮影シーンによってはF値の切り替えは大きな効果があるでしょう。
本体の質感もしっかりしていますし、可変絞りというカメラの進化は予想を超えています。やはりHuaweiのスマートフォン開発技術はすごいなと改めて感じさせてくれました。4G対応ながらグローバルでも販売されるので、ぜひ入手してカメラをもっと試してみたいものです。
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