Apple、「iOS 16.2」「iPadOS 16.2」配信 カラオケアプリやステージマネージャの外部ディスプレイサポート
AppleはiPhoneやiPad、Macなどの今年最後とみられるアップデートを配信した。iPhoneとiPadではカラオケ機能「Apple Music Sing」が利用可能になる。共有ホワイトボード「フリーボード」も追加された。
米Appleは12月13日(現地時間)、iOSとiPadOSの16.2、iOSとiPadOSの15.7.2、watchOS 9.2、tvOS 16.2、macOS Ventura 13.1、macOS Big Sur 11.7.2、MacOS Monterey 12.6.1、Safari 16.2、iCloud for Windows 14.1の配信を開始した。
本稿ではiOSおよびiPadOS 16.2について簡単に紹介する。
iOSとiPadOSは9月以来の大規模アップデートだけに、「Apple Music Sing」や「フリーボード」(英語版では「Freeform」)など、待望の新機能が追加される。
Apple Musicで使えるカラオケ機能「Apple Music Sing」(iPad/iPhone)
「Apple Music Sing」はサブスクリプションサービスApple Music内の数百万曲をカラオケにしてしまえる機能だ。原曲のボーカルの音量を調整してソロで歌ったり、原曲のボーカルとデュエットしたりできる。カラオケのように曲の進行に合わせて歌詞が表示される。
みんなで使える仮想ホワイトボード「フリーボード」(Mac/iPad/iPhone)
「フリーボード」は、Mac、iPad、iPhoneで使えるコラボレーションツール。ホワイトボードのような画面に遠隔地にいる友達や同僚と画像やファイルを共有し、描画ツールで書き込みができる。
ステージマネージャの外部ディスプレイサポート(iPad)
iPadOS 16.1で見送られた「ステージマネージャ」の外部ディスプレイのサポートがようやく追加される。
iPadと接続した外部ディスプレイとの間でファイルやウィンドウをドラッグ&ドロップできる。
対応するのはiPad Pro 12.9インチ(第5世代以降)、iPad Pro 11インチ(第3世代以降)、iPad Air(第5世代)。最大6Kの解像度の外部ディスプレイに対応する。使えるアプリはiPadのディスプレイで4つ、外部ディスプレイで4つ。
ロック画面(iPhone 14シリーズのみ)
iPhone 14シリーズで「常に画面オン」を有効にしている場合、壁紙や通知を非表示にできる設定が追加され、睡眠ウィジェットで最新睡眠データを確認できるようになり、服薬ウィジェットでリマインダーを表示できるようになる。
Game Center(iPad/iPhone)
Game CenterのマルチプレイヤーゲームがSharePlayに対応し、FaceTimeで通話中の人とプレイ可能になる。
また、アクティビティウィジェットで、ホーム画面から直接、友達がプレイしているゲームやその達成状況を見ることが可能になる。
「ホーム」アプリの改善(iPad/iPhone)
スマートホーム用アクセサリとApple端末間での通信の信頼性および効率の向上。
iCloudの「高度なデータ保護」(Mac/iPad/iPhone)
8日に発表した、iCloudのほとんどのデータのエンドツーエンドの暗号化(E2EE)が、まずは米国で利用可能になる。2023年初頭には他の地域へも展開する予定だ。
機能改善とバグ修正(iPad/iPhone)
- 「メッセージ」の検索の改善により、犬、車、人物、テキストなどの写真の内容に基づいて写真を検索可能に
- 「IPアドレスを公開」設定で再度読み込むと、SafariでiCloudプライベートリレーのユーザが特定のサイトでサービスを一時的に無効可能に
- 「メモ」の参加者カーソルにより、他の人が共有メモをアップデートしている個所をライブインジケータで表示可能に
- AirDropの設定が10分経過すると自動的に「連絡先のみ」に戻るようになり、望まない相手からのコンテンツの受信リクエストを防止
- 日本語キーボードでの入力中にVoiceOverで変更を認識できないことがある問題を修正
- アップデート後に一部のメモがiCloudと同期できなくなる問題を修正
- iPhone 14とiPhone 14 Proモデルでの衝突事故検出の最適化・トラッキング通知で、所有者の手元から離れたAirTagが近くにあり、移動していることを示すチャイムが最近再生された場合に通知(iPad)
- アクセシビリティのズーム機能を使用しているときにMulti-Touchジェスチャが反応しなくなる可能性がある問題を修正(iPad)
セキュリティ関連
iOSおよびiPadOSの16.2では、35件の脆弱性に対処した。
iPhone 6s(全モデル)、iPhone 7(全モデル)、iPhone SE(第1世代)、iPad Pro(全モデル)、iPad Air 2以降、iPad第5世代以降、iPad mini 4以降、iPod touch(第7世代)を対象とするiOSとiPadOSの15.7.2では「積極的に悪用された可能性のある」1件を含む17件の脆弱性に対処した。
なお、iOS 16.1.2の更新の際に「詳細は後日追記予定」となっていたセキュリティ関連の「詳細」が同日更新された。それによると、対象モデルはiPhone 8以降で、悪意のあるWebコンテンツを処理すると、任意のコードが実行される可能性があるというもので、この問題は「積極的に悪用された可能性があるという報告を認識している」という。
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