“ゼロコロナ”で迷走気味だった中国スマホ市場 2023年に注目すべき3つのポイント:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)
中国のモバイル市場は、ゼロコロナ政策の影響でマイナス成長になったが、023年は行動制限もなくなり国内景気が上向きになると見られている。2022年はXiaomiやOPPOも折りたたみスマートフォンを投入し、2023年はさらにラインアップを増やしそうだ。1型センサーを始めとしたカメラ機能の進化や、ゲーミングのパフォーマンスを打ち出した製品も増えそうだ。
1型センサーのカメラを搭載した機種も増えそう
カメラ性能は2022年に大きな技術のブレークスルーが見られた。Xiaomiとvivoはソニーの1型センサー「IMX989」搭載モデルを発売。vivoはそれに合わせて自社開発の画像処理チップの新モデル「vivo V2」の搭載も始めた。またXiaomiはSamsungの2億画素センサー搭載モデルも発売。画素数競争ではHonorも1億600万画素カメラモデルを投入している。そしてHuaweiは「Mate 50」シリーズで10段階の可変絞りを採用。各社横並びの性能だったカメラが大きく進化した1年だった。
2023年には1型センサーの搭載がOPPOなど他社の採用も進むだろう。またXiaomiがライカと電撃的な提携を発表、vivoはカールツァイスとの連携を深め、OPPOもハッセルブラッド推しを強化。ハイエンドモデルのカメラはコンピューティショナルフォトグラフィーにアナログカメラ時代の「風味」を加え、美しさにより磨きがかかっていくだろう。
こうなると、そろそろレンズ交換式で本格的な望遠レンズが使えるカメラが出てきてもおかしくないだろうが、Xiaomiはコンセプトとして「Xiaomi 12S Ultra Concept」を実際に披露している。中国では販売していないものの、アフリカなどに製品展開しているTranssion傘下のTecnoがレンズ収縮式の65mmカメラを搭載した「Phantom X2 Pro」を発売したが、この機構を採用するモデルも出てくるかもしれない。
ゲーミングのパフォーマンスを売りにした製品も登場するか
ゲーミングスマートフォンについては中国国内のモバイルゲーム市場が引き続き成長を見せていることもあるが、スマートフォンメーカーがカメラではなくパフォーマンスを競い合うモデルとして、2023年もさまざまな製品が出てくるだろう。メモリやストレージは容量だけではなくLPDDR5XやUFS4.0などPCの世界と同様の高速化を進め、ディスプレイはリフレッシュレートやタッチサンプリングレートの引き上げ、そして本体内部の冷却性能の向上などを図ったモデルの登場が期待される。これらの技術はゲーム向け端末だけではなくハイエンドモデルにも応用できるだけに、各社開発には力を入れているわけだ。
2022年12月末時点で最新のゲーミングスマートフォンはNubiaの「Redmagic 8 Pro+」で、Snapdragon 8 Gen 2を搭載、充電速度は165Wと高速だ。また第4世代目となるアンダーディスプレイカメラを搭載し、インカメラを遮るカメラはなくなった。アンダーディスプレイはSamsungやXiaomiが追いかけているがまだ他のメーカーには広がっていないが、ディスプレイの大型化が行きつくところまで到達した今、他のメーカーへの採用も広がるかもしれない。Appleは「iPhone 14 Pro」で横長のパンチホールをあえて見せる「ダイナミックアイランド」を採用したが、中国メーカーは逆の方向を目指すだろう。
2023年はHuaweiのカメラフラグシップモデル「P60」の登場もうわさされている。またインドで5Gサービスがはじまったことにより、エントリー5Gモデルのさらなる低価格化が進みそうだ。他にも中堅どころで自動車メーカーの傘下となったMeizuにどのような動きがあるかなど、引き続き目が離せない新製品が多数登場するだろう。
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