HomePod(第2世代)は初代から何が変わったのか? スペックを見比べて分かったこと
Appleは、第2世代となる「HomePod」を2月3日に発売します。Appleは「まったく新しいHomePod」とアピールしているものの、見た目はほぼ同じ。一部では仕様が劣化しているのでは? とも思える部分もありますが、どのあたりが進化したのでしょうか。
Appleは、第2世代となる「HomePod」を2月3日に発売します。海外では2017年に発売され、2021年に販売終了となったHomePod(第1世代)のリニューアルモデルです。Appleは「まったく新しいHomePod」とアピールしているものの、見た目はほぼ同じ。逆にスピーカーやマイクの数が減少し、Wi-Fiも802.11n(Wi-Fi 4)にとどまるるなど、一部では仕様が劣化しているのでは? とも思える部分もあります。
実際のところはどうなのかは、発売後にレビューが出そろうのを待つ必要がありますが、現在判明している仕様から簡単に初代と第2世代の違いなどをまとめてみました。
主な仕様を比較すると下記の通りになります。
サイズは、第2世代がわずかに小さく軽くなっていますが、恐らく2台を並べてもあまり見分けは付かないのではないかと思います(ひょっとすると、質感などが大きく変わっているかもしれませんが)。
この中で気になるのは、7つから5つ、6つから4つにそれぞれ減ったツイーターとマイクでしょう。まずツイーターですが、指向性が強い高音域向けのスピーカーだけに、数が減るということは、それだけ高音域の音の広がりが薄くなるという懸念はあります。ただ、ツイーターは外周に直接配置されているわけではなく、中央下部の内側に向けて配置されており、ディフーザーを通して360度に放出される作りです。指向性という点では、それほど気にする必要はないはずです。
また、HomePodは周囲に空間があるのか、背面に壁があるのかなど、置かれている場所を認識し、サウンドをリアルタイムに調整する機能を持っています。加えて、搭載するチップはApple Watch Series 7と同じS7になりました。S7はiPhone 11シリーズに搭載されたA13 Bionicをベースとした高性能チップ。初代のHomePodがiPhone 6世代のA8だったので、かなりの高性能化を果たしているのは想像に難くありません。
Appleは数年前からコンピュテーショナルオーディオ、つまりソフトウェアによる音響の最適化・最大化を盛んに掲げています。今回もS7チップとソフトウェア、システム検知テクノロジーの組み合わせにより「音響システムの能力を最大限に引き出す一段と進化したコンピュテーショナルオーディオを提供」としているので、スピーカーの減少は、むしろ最適化の結果なのかもしれません。
同様に、マイク数の減少は普通に考えれば「Hey Siri」の認識精度の低下を招きそうですが、S7チップにアップデートしたことで音声認識精度が向上した結果と考えられます。
なお、HomePodを2台利用したステレオペアは、第1世代とは組めないとされています。これは音響面が強化され、第1世代と第2世代ではバランスが取れないからと考えれば、納得がいくでしょう。
Wi-Fiに関しても、802.11ac(Wi-Fi 5)から802.11n(Wi-Fi 4)に仕様が落ちているものの、802.11acは5GHz帯しか利用できないのに対し、802.11nは2.4GHzも利用可能な規格です。5GHz帯は干渉に強い反面、直進性が高く障害物には弱いというのがデメリット。スマートスピーカーとしては、2.4GHz帯も使えた方がいいという判断なのでしょう。なお、ThreadやUWB(超広帯域無線)を含むワイヤレスの仕様は、HomePod miniと同等になっています。
Matter対応ということもアピールされていますが、これはHomePod自身がMatterデバイスとして、例えばGoogleのNestデバイスなどから操作できるというわけではなく、Matterデバイスを操作できるホームハブになれるということ。残念ながら、HomePodをAppleエコシステム以外から利用することはできません。
全体的に、順当に進化しているといえそうなHomePod(第2世代)。実際にどのような評価となるのか、発売を楽しみにしたいところです。
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