格安SIM主要8サービスの通信速度を測定【2023年2月】:爆速のMVNOはどこ?(2/2 ページ)
ahamo、LINEMO、Y!mobile、UQ mobile、OCN モバイル、IIJmio、mineo、BIGLOBEモバイルの通信速度を測定。ドコモ、au、ソフトバンクは1日中速いが、格安SIMは昼や夕方に遅くなるキャリアが多い。今回は筆者が実際に測定した格安SIMの速度をもとに、オススメのキャリアやお得な使い方を解説する。
OCN モバイル ONEの通信速度
OCN モバイル ONEはドコモ回線を使ったMVNOです。MVNOは速度が遅いキャリアが多いですが、OCN モバイル ONEの新コースは昼でも高速で通信できます。2023年に入って速度がさらに速くなりました。
これまで紹介したキャリアよりも数値は劣りますが、スマホの通信速度は10Mbps前後を超えるとほとんど差は感じません。OCN モバイル ONEも十分すぎるほど高速です。
ドコモ回線の格安SIMではahamoも人気ですが、データ使用量が月10GB以下ならOCNモバイルONEの方がお得です。通話料金は専用アプリを使わなくても自動で半額(11円/30秒)になり、余ったデータ容量は翌月に繰り越されます。定期的に実施するスマホセールもお得なので、乗り換えと同時にスマホを買い替えたい人にもオススメです。
IIJmioの通信速度
IIJmioのメインプランである「ギガプラン」はドコモ回線のタイプDとau回線のタイプAが選べます。タイプDは昼に速度が遅くなり、2月は最も遅い日では1.5Mbpsに落ち込んでいました。
同じくタイプAも昼に速度が低下します。最も遅い日には1.4Mbpsにまで落ち込んでいる日がありました。
ただ、1.5Mbps前後の速度があればほとんどのことはできます。YouTubeも480p画質程度なら詰まらずに視聴できますし、TwitterやInstagramも画像表示が少し遅れる程度で閲覧できるでしょう。スマホの通信速度は3Mbpsもあればほとんど何でも快適にできますが、タイプDもタイプAも2〜5Mbps程度出ている日が多いので、影響はそれほど大きくないでしょう。
IIJmioのメリットは料金の安さです。「ギガプラン」の安さは主要な格安SIMではトップクラスな上に、2023年4月には料金そのままでデータ容量が増量され、さらにお得になります。速度面の不安はありますが、それほどスマホを使わない人や昼にWi-Fiが使える人は影響がありません。自身の使い方に必要な速度と料金のバランスを見ながら契約先を選びましょう。
mineoの通信速度
mineoはドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアの回線を使ったプランが選べます。どの回線も通常時の速度は快適ですが、昼や夕方に速度が低下します。昼だけでなく夕方の速度低下も大きいので注意が必要です。
まずドコモ回線であるDプランの通信速度です。Dプランは昼に1Mbpsを割り込むことが多いです。今月は1Mbps以上の日もありますが、2023年1月、2022年12月の測定ではほとんどが1Mbps以下でした。また、2月は夕方も1Mbpsを割り込んだ日がありました。ここ数カ月は、mineoの3つの回線の中で最も遅いことが多いです。
au回線のAプランも昼に速度が低下します。今月は1Mbpsを割ったのは1日だけですが、先月と先々月はほとんどが1Mbps以下でした。
夕方も速度が低下しています。2月は最も遅い日でも5Mbps以上出ているので影響はほぼないですが、先月や先々月はそれ以下の日も多かったので油断はできません。格安SIM全体の傾向として、夕方は金曜日や祝前日の速度低下が特に大きいので注意してください。
ソフトバンク回線のタイプSも同じく昼に遅くなりますが、2月は最も遅い日でも2Mbps以上出ています。ただし、先月、先々月は1Mbps以下の日もあったのでやはり昼は我慢が必要です。また、夕方も1Mbpsちょっとに落ち込む日があります。過去の測定結果を見ても1.5Mbps前後にまで遅くなることが多いです。
mineoは通常プランの「マイピタ」と使い放題プランの「マイそく」が選べますが、オススメはマイそくです。特にYouTubeなどの動画視聴が多い人はうまく活用すれば料金を大きく節約できるでしょう。一方、マイピタは他社より料金が高く速度も遅めなので、月のデータ使用量が決まった通常の料金プランを契約する場合はmineoよりIIJmioやOCN モバイル ONEの方がオススメです。
BIGLOBEモバイルの通信速度
最後はBIGLOBEモバイルです。BIGLOBEモバイルはドコモ回線のタイプDとau回線のタイプAが選べます。BIGLOBEモバイルの通信速度はかつてMVNOでもトップクラスでしたが、最近は少しずつ遅くなってきました。
それでもタイプDは最低限の速度が出ています。他のMVNOと同じく昼には速度が低下しますが、最も遅い日でも1.4Mbps以上出ています。この速度ならYouTubeも480p画質までなら詰まらずに視聴できますし、WebサイトやSNSの閲覧も何とか可能でしょう。1日を通して速度の変動が大きいのが気になりますが、夕方も問題ない速度が出ています。
タイプAは2022年秋頃から速度が低下しており、主要な格安SIMの中でも遅い方です。昼はほぼ1Mbps以下、夕方も1Mbps台に落ち込むことがあり、回線混雑時以外でも遅くなることがあり、やや不安定です。
BIGLOBEモバイルはYouTubeなどの対象コンテンツによるデータ消費がカウントされない「エンタメフリー・オプション」が人気です。ただし最近は契約時のキャンペーンをほとんど実施しておらず、速度も徐々に低下しています。個人的にはこれからの契約はあまりオススメしません。au回線ならUQ mobile、ドコモ回線ならOCN モバイル ONEかahamoがオススメです。
以上、2月の格安SIMの通信速度測定結果のまとめでした。格安SIMの通信速度はキャリアによって差が大きいので、これからの格安SIM選びに役立ててください。ただし、通信速度は測定タイミングや測定エリア、周囲の環境、測定端末などによって大きく変動するので、本記事の結果はあくまで参考として活用してください。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
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