スマホに「1TB」のストレージが必要かどうかを考えてみた:ふぉーんなハナシ
昨今、大容量ストレージ「1TB」というワードを目にする機会が増えた。「Galaxy S23 Ultra」でも、au限定で1TBが用意されることになったし、「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」でも1TBが選べる。1TBがどんな人に必要で、どんな人に向かないのか、簡単に整理していきたい。
スマートフォンの高性能化やコンテンツの高画質化、多様化などに伴い、昨今、大容量ストレージ「1TB」というワードを目にする機会が増えた。
先日のサムスン電子ジャパンが国内向けに発表した最新のAndroidスマホ「Galaxy S23 Ultra」でも、au限定で1TBモデルが用意されることになったし、「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」でも1TBが選べる。
そこで、1TBものストレージはどんな人に必要で、どんな人に向かないのか、簡単に整理していきたい。
1TBってどれくらい?
そもそも1TBはどれくらいの容量なのか。1TBは1000GB(厳密には1024GB)で、目安としては1枚1MBのドキュメントファイルが約100万枚、フルHD解像度の動画ファイルが約166時間、1枚4MBのJPEGファイルが約25万枚、1曲5MBのMP3ファイルが約20万曲入る。
簡単に言うと、1TBは128GBのスマホ8台分に相当する。
ぶっちゃけ必要?
こうした大容量のファイルを日頃から携帯すると、機種変更の際に面倒になる。1ファイルあたりの容量がそれほど大きくなくても、膨大な数になるほど、その分だけの移行時間がかかる。
また、その膨大なデータが破損した際、復旧できるかどうか分からないし、仮にできたとしても時間と手間がかかるはずだ。
1TBの容量を持つGalaxyやiPhoneは高価になる点にも触れておきたい。以下に1TBを選べる機種名と価格(メーカーとキャリアのオンラインストア価格)を箇条書きにする。
Galaxy S23 Ultra
- KDDI:25万3440円
iPhone 14 Pro
- Apple Store:22万4800円
- NTTドコモ:27万5220円
- KDDI:27万5415円
- ソフトバンク:27万5040円
- 楽天モバイル:24万7800円
iPhone 14 Pro Max
- Apple Store:23万9800円
- NTTドコモ:28万9300円
- KDDI:29万3845円
- ソフトバンク:28万1520円
- 楽天モバイル:26万3800円
ご覧の通り、1TBのスマホの価格はどれも20万円超え。キャリアでは端末購入補助プログラムやキャッシュバックキャンペーンなどを適用することで、実質半額程度に抑えられるが、それでも高額だ。
また、保存しておきたいファイルをGoogle ドライブやOneDriveなどのクラウドストレージへアップロードすれば、いわゆるローカルストレージを増やさずに済むので、1TBのスマホも不要と思える。ただ、クラウドストレージサービスは継続利用するに際し、月額料金を払い続ける必要がある。
どれくらいの期間利用し続けるのかによっても、1TBのスマホかクラウドストレージサービスのどちらがお得なのか、変わってくるので、一概にどちらがお得とは言い切れない。
クラウドストレージの他にも外部メモリやSSDの活用も考えられる。例えば、すぐにアクセスしたいデータはスマホに、そうでないデータは外部メモリやSSDに移しておくことが可能だ。Galaxy S23 UltraやiPhone 14 Proなど、一部のスマホは直接microSDを挿せるスロットが設けられていないが、USB Type-CやLightningからmicroSDスロットに変換するアダプターを介せば済む。
それほど大容量を必要とせず、クラウドやmicroSDなどを活用し、大容量スマホに投資したくない、と思うなら1TBもの大容量スマホは間違いなく向かない。
1TBが必要なケースは?
では、どんな人なら1TBのスマホが必要、あるいは買って満足できるのか。
まず思いつくのは、スマホのデータを毎回、過去の機種を含めて移行している人だ。機種変更でデータを移行する度に過去のデータが蓄積される。例えば、256GBのスマホを使っていた人が容量いっぱいのデータを同じ256GBのスマホに移すと、それだけでストレージがいっぱいになる。その際、移行するデータを選んだり、不要なデータを削除したりするのが面倒な人なら、1TBのスマホを選ぶメリットはある。
ネットワークに左右されず、スマホからすぐにファイルへアクセスしたい人にとっても大容量スマホは向く。クラウドストレージへのアクセスはネットワーク環境が必須となるので、何らかの理由で安定したネットワーク環境を確保できなければ、あまり意味をなさない。
また、頻繁な抜き差しによる接触不良を起こし、変換アダプターやmicroSDなどが使えなくなるケースや、紛失する可能性も十分にあり得るため、それを避けたい人にとっても、1TBのスマホが向く。
ストリーミングサービスで配信されていない楽曲や動画など、数多くのデータをローカルに保存し、常に視聴できるようにしておきたい、という人にとっても大容量ストレージは適している。
高価ゆえに慎重に見極めたい1TBスマホ
ここまでお伝えしたように、1TBのスマホは大量のデータをローカル保存できる反面、それに比例するように高価だ。一方で使い方や考え方によっては大容量スマホが必要になる、あるいは買って満足するケースもあるはずだ。自分がどういったデータをどのように扱うのか見極め、お財布に余裕があれば1TBスマホを検討してもいいのではないだろうか。
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