「予約番号」なしでも乗り換えOK! 大手キャリアと一部MVNOが「MNPワンストップ方式」に対応 5月24日からオンライン限定で
総務省が主導する形で導入されることになった「MNPワンストップ方式」。その運用開始日が5月24日に決まった。開始当初は、大手キャリアと日本通信のWebを使ったMNP契約において利用できる。
総務省は5月19日、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の「ワンストップ手続き(MNPワンストップ方式)」の運用を5月24日8時30分から順次開始することを発表した。現時点ではシステムの準備が整っている携帯電話事業者(MNO/MVNO)のオンライン(Web)手続きでのみ利用可能で、非対応事業者に関わる転出/転入手続きや店頭での手続きは引き続き「MNP予約番号」の取得が必要な従来方式(ツーストップ方式)となる。
MNPワンストップ方式の概要
従来のMNP手続き(ツーストップ方式)は、以下の手順で行われる。
- ユーザーが現在契約している携帯電話事業者(転出元)から「MNP予約番号」を取得
- ユーザーが「MNP予約番号」を持参して新しい携帯電話事業者(転入先)で新規契約
しかし、ユーザーが予約番号を取得する“手間”がMNPの障壁になってるという指摘があった他、転出元キャリアが「引き留め」が行うケースが散見されたことから、総務省が主導する形で転入先の事業者での手続きのみでMNPが成立する「ワンストップ方式」の実現が検討されてきた。
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5月24時8時30分から順次運用が始まるMNPワンストップ方式は、システムの整備/運用コストとの兼ね合いから転入先事業者からのリクエストによって、転出元事業者がMNP予約番号を自動で発行する「API連携」で行われる。
ユーザーがワンストップ方式のMNP契約を希望した場合、基本的に転入先事業者のWebサイトで手続きが進むが、途中で転出元事業者のWebサイトに遷移する場面もある。そのため、転出元事業者のWebサービスへのログイン情報も必要なので、事前に確認しておこう。
対応事業者(5月24日時点)
MNPワンストップ方式は、転出元と転入先の両方がシステムに対応している場合に利用できる。5月24日時点の対応事業者は以下の通り。
- NTTドコモ
- ドコモオンラインショップとahamoで利用可
- KDDI/沖縄セルラー電話
- au/UQ mobileブランドのオンラインショップとpovo2.0で利用可能
- ソフトバンク
- ソフトバンク、Y!mobile(※1)のオンラインショップとLINEMOで利用可能
- 楽天モバイル
- Webサイトでの手続き時に利用可能
- 日本通信
- 日本通信SIMのWebサイトでの手続き時に利用可能
(※1)ジャパネットたかたのオンライン通信販売での契約分を含む
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