U-NEXTとParaviがサービス統合 TBSから約242億円調達、コンテンツ拡充へ
U-NEXTは6月29日、TBSホールディングスとのパートナーシップ協定を締結したと発表した。あわせて、TBSホールディングスを引受先とした第三者割当増資により、TBSはU-NEXTの発行済み株式の20%を取得、U-NEXTを持分法適用関連会社とすることも発表した。事業成長に向けた協業をより強固にし、さらなる戦略的な相乗効果を生み出すことが目的だという。
USEN-NEXT HOLDINGS傘下で有料動画配信サービス「U-NEXT」を運営するU-NEXTは6月29日、TBSホールディングスとのパートナーシップ協定を締結したと発表した。
あわせて、TBSホールディングスを引受先とした第三者割当増資により約242億円を調達、TBSはU-NEXTの発行済み株式の20%を取得、U-NEXTを持分法適用関連会社とすることも発表した。事業成長に向けた協業をより強固にし、さらなる戦略的な相乗効果を生み出すことが目的だという。
U-NEXTは2023年3月31日付で、有料動画配信サービス「Paravi(パラビ)」を運営していたプレミアム・プラットフォーム・ジャパンとの経営統合を発表していた。
これにより、Paraviの約1万本のコンテンツがU-NEXTに移管され、有料会員数385万人以上、配信コンテンツ36万本以上を擁する国内勢で最大の動画配信プラットフォームが、7月1日に誕生する。
U-NEXTが強みを持つ映画や欧米、韓流ドラマに、TBSグループの独占コンテンツであるドラマ、バラエティ、スポーツなどを加えたラインアップを拡充する。U-NEXTがTBSから資金を調達することで、事業成長に弾みをつけたい考えだ。協業により相乗効果が期待される分野は次の通りとなる。
コンテンツ分野
- コンテンツ制作、調達における規模感、スピード感の強化
- 大型ライブイベントやスペシャルドラマなど、配信と放送のクロスプラットフォームを生かした企画の実施
- U-NEXTが強みを持つ映画や欧米、韓流ドラマに、TBSグループのドラマ、バラエティ、スポーツなど独占コンテンツを加えたラインアップの充実
プロモーション分野
- 地上波テレビ・ラジオ・BS・CSなどTBSグループのパートナーメディアでの積極的発信
- U-NEXTが得意とするデジタル広告や映画館・家電量販店での露出を組み合わせた「クロスマーケティング」の実施
クリエイティブ・開発分野
- 両社の開発リソースを用いるとともに、ARやVRなど新技術を活用したサービスの開発
Paravi→U-NEXTへの移行手続きも実施
U-NEXTは5月31日時点でParaviベーシックプラン(月額1017円)を利用する人に対して、移行手続きに関する案内を行っている。ユーザーはParaviのWeb版かアプリにログインし、U-NEXTサービスへの移行手続きを行える。移行手続き完了後はParaviのコンテンツをU-NEXTのWeb版、アプリで楽しめる。Paravi同プランは12月31日までは現行料金のまま利用できるが、U-NEXTからParaviへの移行はできない。
ParaviアカウントとU-NEXTアカウントの両方を取得済みの人は、どちらかを選択した上で解約する必要がある。U-NEXTアカウントのみを所有する人は、これまで通りサービスを使い続けることが可能だ。
U-NEXTにはParavi作品を確認できるボタンが追加される
ParaviからU-NEXTへの移管に伴い、6月30日にU-NEXTでParavi作品を確認できるようになった。
また、TBSとテレビ東京の約1万エピソードが順次配信される。
地上波放送のドラマ「トリリオンゲーム(7月14日からTBS系にて放送)」「VIVANT(7月16日からTBS系にて放送)」「18/40ふたりなら夢も恋も(7月11日からTBS系にて放送)」「みなと商事コインランドリー2(7月5日からテレビ東京系にて放送)」「なれの果ての僕ら(6月27日からテレビ東京にて放送)」のドラマの他、「櫻井・有吉THE夜会(TBS)」「マツコの知らない世界(TBS)」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?(テレビ東京系)」をはじめとする人気バラエティー番組などがU-NEXTで順次視聴可能になる予定だ。
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