OPPOが日本でのスマホラインアップを再強化へ 急速充電を訴求、ハイエンドは?(1/2 ページ)
OPPOが日本で最新スマートフォン「OPPO Reno10 Pro 5G」を10月6日から順次発売する。これを皮切りに、日本でのポートフォリオ戦略を見直す。急速充電を軸に、より積極的に日本でもスマートフォンを展開していく。
OPPOが日本で最新スマートフォン「OPPO Reno10 Pro 5G」を10月6日から順次発売する。
OPPOが日本市場への参入当初は、ミッドレンジからハイエンドまで幅広いラインアップをそろえていたが、2022年以降はReno AシリーズとAシリーズの展開にとどまっていた。そんな中で発表したReno10 Pro 5Gは、80Wの急速充電や3眼カメラを特徴としたミッドハイモデル。
OPPOは今後、日本でどのようにスマートフォンを展開していくのか。9月28日に開催した発表会で、専務取締役の河野謙三氏が説明した。
製品ポートフォリオ戦略を変換する
2022年から2023年のラインアップをReno AシリーズとAシリーズに絞ってきた背景について河野氏は、「昨今の為替や世界情勢など、あらゆる状況を鑑みて、日本市場でよりOPPOブランドを浸透させ、企業として持続していく、そしてパートナー企業の利益を最大化するため」と説明する。部材の高騰や新型コロナウイルスなど、外的環境が大きかったようだ。「この2年は、私たちにとって、虎視眈々(たんたん)と機会をうかがうような時期だった」(同氏)
一方で、ラインアップを絞ったことで、「OPPOは日本から撤退するのではという発言や、スペックに満足できないという落胆の声も届いている」という。「どこから撤退なんていう話が出てくるのかと思うが、それだけ強い関心を持ってくれていると有り難く受け止めている」(同氏)
河野氏は「誰にとっても、どの企業にとっても、経験したことない状況だったというこの2年は、OPPOにとってもさらに強くなれる2年間だったといえる」と続け、「今日、ここで製品ポートフォリオ戦略の変換をご案内する。再び日本で積極的に展開していく」と宣言する。具体的には、「グローバルの製品戦略を生かした、同価格帯でより競争力の高い製品」と「日本のユーザーに急速充電の概念を刷新する製品」を展開する。
28分で満充電できるReno10 Pro 5G、バッテリーの長寿命化にも注力
新機種のReno10 Pro 5Gは、その先陣を切るモデルに位置付けられる。河野氏は、一般ユーザーから「充電に時間がかかりすぎ」「モバイルバッテリーは重いし充電が遅い」「性能はいいけどスマホが重い」といった不満の声が挙がっていることに触れ、Reno10 Pro 5Gでこれらの不満を解消することを目指す。
特に強調するのが急速充電だ。Reno10 Pro 5Gは、付属の充電器を使えば、28分で満充電できる。簡単に満充電(フルチャージ)できることと素晴らしい体験の「ワンダフル」というワードを掛け合わせ、OPPOはReno10 Pro 5Gの急速充電について「ワンダフルチャージ」というフレーズを掲げる。発表会では河野氏がReno10 Pro 5Gの急速充電を実演。プレゼンテーション前に、バッテリー残量2%のReno10 Pro 5Gを充電し始め、25分後に100%充電されていた。
営業推進部 プロダクトマネージャーの中川裕也氏は「1回1回の充電時間が長いことが、どれだけ生活効率を下げているか」と切り出し、28分で満充電できるスピードを「1度でも体験すれば、生活が効率的に、豊かになったことを実感できるはずだ」と力説する。10分だけでも48%まで充電できるため、「隙間時間で充電でき、今までの充電の習慣が確実に変化する」と同氏。
ちなみに、80W急速充電に対応した充電器は、OPPO公式オンラインショップでも販売する予定。自宅と外出先で充電器を併用すれば、場所を選ばず急速充電の恩恵を受けられる。
急速充電だけでなく、バッテリーの長寿命化にも注力している。一般的なスマートフォンは、バッテリーの有効容量80%を維持できるのは2年間とされているが、Reno10 Pro 5Gでは、有効容量80%を維持できるよう「BHE(Battery Health Engine)」という技術を採用している。これはソフトウェアの制御とハードウェアの工夫で実現しているという。
プロダクトチームの齋藤氏によると、ソフトウェア面では移動しないリチウムイオンを移動させるアルゴリズムを入れており、ハードウェア面では電解質の配合を改善することで電界面の膜を形成し、バッテリーの劣化を防ぐという。
こうした工夫により、1000回充電しても88%の容量を維持し、1600回の充電でも80%を維持するという。1日1回フル充電するサイクルだと、1600回は約4年に相当する。これはOPPOが実験したデータに基づいているので、実際の使用状況によって結果は異なるが、一般的なスマートフォンよりは長寿命のバッテリーだといえる。
「フラグシップ級」をうたうアウトカメラは、5000万画素の広角、光学2倍ズーム対応で3200万画素の望遠、800万画素の超広角で構成される。「小難しい操作をしなくても誰もが簡単に操作できる」(中川氏)ことを目指し、望遠カメラを活用して46mmの焦点距離で被写体の背景をぼかしたポートレートを簡単に撮影できることにも触れた。
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