OPPOが日本でのスマホラインアップを再強化へ 急速充電を訴求、ハイエンドは?(2/2 ページ)
OPPOが日本で最新スマートフォン「OPPO Reno10 Pro 5G」を10月6日から順次発売する。これを皮切りに、日本でのポートフォリオ戦略を見直す。急速充電を軸に、より積極的に日本でもスマートフォンを展開していく。
Xiaomiとの差別化は「薄くて軽いこと」
Reno10 Pro 5Gは、キャリアではソフトバンクが取り扱い、「神ジューデン」対応機種として訴求する。一方、神ジューデンは12月に発売予定の「Xiaomi 13T Pro」にも使われているキャッチコピー。しかも13T Proは120W対応により19分で満充電可能としており、急速充電のスピードはReno10 Pro 5Gよりも速い。13T Proと並べて見せられると、不利にならないのだろうか。
この点について齋藤氏は、Reno10 Pro 5Gでは「薄くて軽いことに重きを置いている」と説明する。「高Wに対応しようとすると、バッテリーの大きさや厚さが必要になる。200gを超えると、どうしても重いと感じる人もいる。(Reno10 Pro 5Gは)そういった人にも選んでいただける」(齋藤氏)
Xiaomi 13T Proは厚さが8.5〜8.6mm、重量が200〜206g(カラーによって異なる)なのに対し、Reno10 Pro 5Gは厚さ7.9mm、重量185gなので、13T Proよりも薄くて軽い。発表会場で実際にReno10 Pro 5Gに触れてみたが、筆者が200g超えのスマホに慣れていることもあってか、手にした瞬間「薄くて軽い」と感じた。
急速充電のスペックではXiaomi 13T Proに分があるが、Reno10 Pro 5Gは持ちやすさも含めたバランスを重視したというわけだ。「28分で100%も十分速いと考えている。重く厚くなって(充電時間を)10分短縮するよりも、毎日持ち運ぶものなので、全体でより満足度が高くなる人も多くいると考えている」(齋藤氏)
ハイエンドモデルを「出す計画はある」
このタイミングで再びラインアップを強化する意図について、河野氏は「世界的な流行病(新型コロナウイルス)が終息に向かっている」ことと「日本における認知度が、私たちの中で満足できる数値に達した」ことを挙げる。GfKの調査によると、OPPOの市場認知度が2022年度の61%から2023年度は69%に上昇したという。これは「テレビCMや(指原莉乃さんなど)タレントを起用したことが大きかった」と河野氏は振り返る。
一方で今後の展開は不透明な点も多い。発表会では、日本では2021年の「Find X3 Pro」を最後に途絶えているハイエンドモデルについて、具体的な言及がなかったからだ。ポートフォリオを変えるという割には、その全容が見えてこない。河野氏は「ハイエンドはテクノロジーショーケースのイメージが強いので、テクノロジーが好きな人に強く訴求していきたい。出す計画はあるが、どの製品からどのタイミングでということは決まっていない」と述べるにとどめた。
河野氏はOPPO Reno9 Aのインタビューで、スマートフォンの販売は「パートナーありき」と述べていたので、Find系のハイエンドモデルはキャリアから販売される可能性が高い。キャリアが扱うモデルをメーカーが先に発表することは難しい。それでもオープンマーケットにも投入するなら、予告くらいはしてもよさそうだが、まだ言えないということは、グローバルでも未発表のモデルなのかもしれない。
Reno10 Pro 5Gだけでは、ポートフォリオの変換をうたうにはインパクトに欠ける。急速充電そのものは他社も取り入れているので、それだけでは差別化は難しい。ラインアップの最後のピースを埋めるモデルの日本投入にも期待したい。
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