グーグルが新製品「Pixel 8シリーズ」を発表――早くも気になる廉価版「Pixel 8a」の存在:石川温のスマホ業界新聞
10月12日、GoogleがPixel 8シリーズを発売した。「Pixel 7a」からNTTドコモも取り扱うようになったからか、auやソフトバンクも販売に力が入るようになってきた。だからこそ、来年出るであろう「Pixel 8a」が早くも気になってしまうのだ。
グーグルは10月12日、Pixel 8とPixel 8 Proを発売する。
国内キャリアではNTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー、ソフトバンクが取り扱う。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2023年10月7日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
グーグルとしては今回からPixelを「AIスマホ」としてアピール。CMでは「ベストテイク」や「音声消しゴムマジック」を訴求している。この2つの機能が、結構、わかりやすくて面白い。静止画の「消しゴムマジック」もインパクトがあったが、音声消しゴムマジックはこれまでパソコンにデータを移してPremiere Proでノイズを消すといった編集作業が必要だったのをスマホ1台でできてしまうだけにAIのチカラを享受できるいい機能と言えそうだ(ただし、最新のTensor G3じゃないとできなのか、実は前モデルのTensor G2や他のAndroidでもできてしまうのかは謎)。
Pixelが日本市場でここまでに存在感を出してきたのは、ひとつにはフワちゃんの功績があるだろう。CMで飛び回ってPixelの機能を紹介するだけでなく、地味ながら、テレビに出て自撮りをするときにはちゃんとPixelを使っている。Androidスマホのプロモーションを担当する有名人は結構、iPhoneを手放さなかったりするのだが(OPPO Renoシリーズを担当した指原莉乃も、プライベートではiPhoneを使いつつ「仕事用でOPPOを使えるようになってうれしい」とSNSに投稿)、フワちゃんはマジでPixelを使い倒しているようだ。
もうひとつはn79に対応し、NTTドコモも取り扱えるようになったのは大きいだろう。いままではシャープやソニー製品は3キャリアで扱われるのが当たり前のようであったが、去年ぐらいから扱ったとしても「オンラインショップ限定」に留まっていたり、なかにはミドルクラスであっても取り扱わないキャリアも出てきた。もはや、ソニーとシャープが3キャリアで等しく使われること自体が珍しくなりつつある。
そんななか、PixelシリーズはNTTドコモが扱い始めたことで、3キャリアがかなり力を入れて売るようになってきた。
特にNTTドコモはOPPOやXiaomiから距離を取っているだけに、Pixelには特に注力せざるを得ないはずだ。
この先もPixel 8が売れそうな勢いであるが、個人的に気になったのが「結局、来年には安価なPixel 8aが出ちゃうんでしょ。買い控えられたりしないのか」という心配だ。そのあたりをグーグルの担当者にぶつけたところ「今回、発売するPixel 8とPixel 8 Proはパワフルだ」という回答しかせず、疑問には答えてくれなかった。
グーグルの努力が実り、Pixelシリーズがさらに売れる感じがする一方、これまでAndroidエコシステムを支えてきたメーカーには逆風が吹き始めている感がある。グーグルが倒すのはアップルであり、Androidメーカーではない。Android全体が繁栄する施策がグーグルには求められている。
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