モトローラが“ultraじゃない”折りたたみ「razr 40/40s」を投入する狙い ソフトバンクは一括9万円台で攻める(1/3 ページ)
モトローラ・モビリティ・ジャパンは11月20日に折りたたみスマートフォン「motorola razr 40」「motorola razr 40s」を発表した。「razr 40 ultra」よりも安価な点がアピールされた。日本市場への投入理由をモトローラ・モビリティ・ジャパンの松原丈太社長が語る。
モトローラ・モビリティ・ジャパンは11月20日に折りたたみスマートフォン「motorola razr 40」を発表した。直販価格は12万5800円(税込み、以下同)。MVNOではIIJ(インターネットイニシアティブ)が取り扱い、MNOではソフトバンクが「motorola razr 40s」として12月8日に発売する。
motorola razr 40/40sは安価な折りたたみスマートフォン
motorola razr 40/40sは国内で8月に発売された「motorola razr 40 ultra」の下位モデルという位置付けで、米Motorola Mobilityが6月1日に発表したグローバルモデルがベースだ。razr 40/40sは通知確認などを行うアウトディスプレイがrazr 40 ultraの3.6型よりも小さい1.5型となっているなど、スペックがrazr 40 ultraよりも低い。そのため、razr 40はrazr 40 ultra(15万5800円)より3万円安い12万5800円で販売される。
プロセッサ(SoC)はQualcommの「Snapdragon 7 Gen 1」を搭載する。8GBのメモリ、256GBの内蔵ストレージ、USB 2.0 Type-C端子、4200mAhのバッテリーなどを備える。プリインストールOSはAndroid 13だが、発売から2年間はアップデートされる。セキュリティアップデートは発売から3年間提供される。
11月20日の発表会に登壇したモトローラ・モビリティ・ジャパン キャリアプロダクト部 開発事業部長の伊藤正史氏によると、motorola razr 40/40sの違いはハードウェアではなくカラーバリエーションとプリインストールアプリにあるという。
ソフトバンク向けモデルのrazr 40sにはPayPayなどがプリインストールされている一方で、razr 40にはキャリアアプリがない。カラーはrazr 40がセージグリーン(緑)とバニラクリーム(白)の2色展開で、ソフトバンク向けのrazr 40sがこれら2色に加えてサマーライラック(紫)も選べる。いずれも本体表面にビーガンレザーを採用しており、ぬるっとした感触となっている。
デザインについて、伊藤氏は「フィーチャーフォンをお使いの方にとっては少し懐かしさがある」とした上で、「コンパクトなボディーのおかげで、シャツの胸ポケットにも入るし、女性の小さなバッグに入れることが可能だ」と折りたたみスマートフォンならではのデザインを説明する。
折りたたみ構造の肝となるヒンジは「じずく型ヒンジシステム」により、インナーディスプレイ中央の折り目を「極限まで目立たなくした」(伊藤氏)他、本体を閉じたときの隙間を「可能な限りカットした」(伊藤氏)という。
折りたたみスマートフォンならではの使い勝手についても伊藤氏が説明し、2画面分割や、カメラ機能で折りたたみ構造を生かせるとアピールする。
ハーフオープンの状態(完全に開ききらない)でYouTubeを起動すれば、上側に動画、下側にコントロールが表示される他、これから行く場所をディスプレイの下側に表示させたWebサイトで確認し、目的地までのルートを上側に表示させることで、複数のアプリを何度も個別に立ち上げたり、アプリを切り替えたりせずに済む。
スタンドモード(テント)ではアウトディスプレイにお気に入り登録済みの連絡先を表示させ、かけたい相手にすぐに発信できる。アウトディスプレイの点灯時に上から下にスワイプすると、Wi-Fi、Bluetooth、機内モードなどを切り替えることが可能なコントロールパネルを呼び出せる。アウトディスプレイの横にあるアウトカメラを使って、本体を閉じたままでも写真や動画を撮影できる。
顔の近くで手のひらをインカメラに向けると、カウントダウンが始まり3秒後に写真が撮影される。「誰かに撮影を依頼せずに片手でインカメラを使った写真を撮影できる」(伊藤氏)ハーフオープン状態でビデオカメラのように持つと、片手でアウトカメラを使用した写真や動画を撮影できる。
アウトカメラは約6400万画素(F1.7/光学式手ブレ補正搭載/クアッドピクセル対応)と約1300万画素(F2.2/超広角兼マクロ用)のデュアル(2眼)構成となっており、「折りたたみスマートフォンとしては高画質なカメラ」を搭載したという。
日本市場向けモデルは「おサイフケータイ」(モバイルFeliCa)を搭載しておりモバイルSuica、モバイル PASMO、モバイルWAON、 nanaco、iD、QUICPay、楽天 Edyなどのサービスに対応している。伊藤氏は「日本市場のお客さまから要望の多いFeliCaを搭載した結果、razr 40 ultraの日本向けモデルよりも遅い発表となった」とグローバル発表から国内発表までにタイムラグが生じた経緯を語った。マイナンバーカードの読み取りについては20日(発表)時点では非対応だが、「鋭意準備中」(伊藤氏)という。
razr 40/40sはIP52等級の耐塵(じん)/耐水性能を備えるが、水没は推奨されていない。
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