ソニーに聞くXperiaのデザイン戦略 人気色「パープル」誕生秘話から21:9比率まで(3/4 ページ)
カメラの進化が目立つソニーのスマートフォン「Xperia」。もともとのデザインコンセプトは何だったのか、どのように変化してきたのか。ソニーグループでXperiaのデザインに関わる2名にうかがった。
パープル採用の理由は何か トレンド感を取り入れる工夫とは
―― 歴代Xperiaを見ると、パープルがXperiaを象徴するような色となりましたが、なぜ採用することを決めたのでしょうか?
鈴木氏 スマートフォン黎明(れいめい)期、各社さんがオリジナリティーを出していた中で、デザインの先駆者になり、インパクトを市場に与えたかったという思いがありました。Xperiaはグローバル展開をしているスマートフォンでもあり、ハイエンドモデルのXperia Zでロイヤル化を高めていく狙いもあったことから、パープルを新規採用しました。
村井氏 私自身はZシリーズなど初期の頃に関わっていませんが、「パープルを望む声」があることは認識していました。ここぞというタイミングでパープルが好きだった方に届くような印象的なものにしようと考えたのがXperia 1でした。
―― デザインに変化が見られる周期は決まっていますか?
シリーズそれぞれの基本的な考え方は変わらないですが、その時々で工夫しています。例えば、10シリーズでしたら、いつも新鮮なイメージを持ってもらえるように、ベーシックな色とトレンド感を取り入れることを意識しました。
―― そのトレンド感はどのようにリサーチしていますか?
村井氏 ソニーには人々の動向などをリサーチするプロジェクトがあります。そこから得た情報をもとにCMFチームがテーマ性を掘り下げるようなことをしていきます。そこで出たテーマやコンセプトをXperiaのみならずオーディオなどの製品に取り入れるようにしています。
ただ、モデルによって発売される地域、ターゲットとなるお客さまのニーズが異なりますので、その辺りも考慮しながら各モデルのデザインを検討しています。
関連記事
- 「Xperia 5 V」は何が進化したのか Xperia 5 IVとの違いを写真で解説
9月1日にソニーが国内投入を発表した「Xperia 5 V」。キャリアからの発表も待たれる秋冬商戦向けの新モデルとなる。先代「Xperia 5 IV」から何が進化したのかを実機でチェックした。 - ソニーが「Xperia 5 V」を大きく方向転換した理由 “小さいやつ”以上のストーリーをプラス
ソニーは、10月13日に発売された「Xperia 5 V」で、Xperia 5シリーズの方向性を大きく転換した。Webなどのビジュアルが、かつてないほどカジュアルでポップな印象になっている。Xperia 5シリーズはユーザーに“顔”が見えづらくなっていたという。 - 「Xperia 5 V」のターゲットは“若者” スペックよりも体験を伝える手法とは
ソニーは9月20日、スマートフォン「Xperia 5 V」の国内における販路を発表した。NTTドコモ、KDDI、楽天モバイル、ソニーストアが取り扱う。同日の説明会でソニーがXperia 5 Vのプロモーションに「NiziU」を起用した狙いなどが語られた。 - 「Xperia 1 V」は何が進化したのか 「Xperia 1 IV」と比較して分かったこと
ソニーが発表したXperiaハイエンドスマートフォンの新モデル「Xperia 1 V(マーク5)」。SIMフリーモデルの市場想定価格は20万円に迫る。先代の「Xperia 1 IV」からの進化点を実機とともに解説する。 - 約20万円の「Xperia 1 V」は誰向けか Xperia 1 IVユーザーが感じた“進化と課題”
ソニーのハイエンドモデル「Xperia 1 V」が2023年6月16日に発売された。Xperia 1 Vはメインの広角カメラに使うセンサーを大判化するとともに、2層トランジスタ画素積層型CMOSセンサーの「Exmor T for mobile」を世界で初めて採用したのが大きなポイント。実機を借りたので、先代の「Xperia 1 IV」と比べて、何が違うのかをチェックしていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.