2023年第3四半期スマホ売り上げ、Appleが過去最高に カウンターポイント調査
カウンターポイントは、2023年第3四半期スマートフォングローバル市場での売り上げを発表。前四半期比では15%増の1000億ドルだが前年同期比では横ばいとなった一方、Appleは第3四半期(7月〜9月)で過去最高の記録した。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは、11月27日に2023年第3四半期スマートフォングローバル市場での売り上げを発表した。
前四半期比では15%増の1000億ドルだが、前年同期比では横ばいに。首位のAppleはスマートフォングローバル売り上げの43%を獲得し、第3四半期(7月〜9月)で過去最高の記録した。iPhone 15 Pro Maxが営業利益に貢献しているが、Appleの営業利益率のシェアは横ばいで増加していない。同社はHuaweiやHONORの復活に加えてXiaomi、OPPOなどの中国メーカーが利益率を重視し始め、スマートフォングローバル市場の営業利益率が高止まりして出荷台数が伸びないためだと指摘する。なお、出荷台数ではSamsungが1位となった。
SamsungのASP(平均売価)は前年同期比で4%増加し、新発売のGalaxy Z Fold5が好調なこと、Galaxy S23シリーズが勢いを維持していること、フラグシップ機種のシェアが高くなっていることが理由だと考察している。しかし同期間の出荷は8%落ち込み、結果としてSamsungの売り上げは前年同期比で4%減少した。
OPPOは折りたたみ型などASPが高額な商品に重点を置いているがインドへの展開が遅く、出荷ベースでは前年同期比割れで2023年に入ってからの3四半期のスマートフォン売り上げは最低に。vivoは利益は計上できているものの中国の競争ではHONORやXiaomiと比較して販促プロモーションが積極性に欠け、vivoの第3四半期の売上は前年同期比12%減少、2021年第3四半期と比較するとほぼ半減した。
Xiaomiはスマートフォンのトップ5社のうち、唯一出荷が前四半期比でも前年同期比でも伸びている。同社はこの結果を中国やインドでの地位を強固にしたこと、中位価格帯のコストパフォーマンス性に優れた商品をキャンペーン価格で供給したこと、Redmi KとNoteシリーズが好調だったためと分析。売り上げと営業利益で前四半期比/前年同期比ともに成長している。
なおiPhone 15シリーズは、発売当初の四半期では中国での売れ行きが下回っている。これはホリデーシーズンまでの期間が短かったことと、iPhone 15 Pro Maxの供給ミスマッチが起因と考えられるが、中国の独身の日の影響で業績が回復する可能性があるとしている。インドではホリデーシーズンの期間が延びて出荷と売り上げどちらも成長したことから、スマートフォングローバル市場全体は例年のように最後の四半期で持ち直して循環的な成長で年末を迎えると推測している。
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