次世代トランシーバーサービス登場 NTTの技術で「聞こえづらいなどの課題」解決へ(1/4 ページ)
NTT子会社で音響関連事業を行うNTTソノリティは1月18日、BONXの「BONX WORK」を用いた次世代トランシーバーサービスの立ち上げに伴い、都内で発表会を実施した。同日、BONXの関連会社化(資本提携)の他、両者が4月1日に開始する音声DXサービス「ゼロからはじめるNTTの現場DX(仮名)」の詳細が語られた。サービス提供の背景にある課題とは……?
NTT子会社で音響関連事業を行うNTTソノリティは1月18日、BONXの「BONX WORK」を用いた次世代トランシーバーサービスの立ち上げに伴い、都内で発表会を実施した。同日、BONXの関連会社化(資本提携)の他、両社が4月1日に開始する音声DXサービス「ゼロからはじめるNTTの現場DX(仮名)」の詳細が語られた。
新サービスは、NTTコンピュータ&データサイエンス研究所が開発した「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術を搭載した耳スピーカー「耳スピ」と、スマートフォン/タブレット向けのアプリ「BONX WORK」を組み合わせた次世代トランシーバーサービスだ。
NTTソノリティが手掛ける技術とは? 耳にはめないのに音漏れを防ぐ次世代トランシーバーの詳細
1月18日の発表会には、NTTソノリティ 代表取締役社長の坂井博氏と、BONX 代表取締役CEOの宮坂貴大氏が登壇し、サービス概要の説明や背景を説明した。
NTTの長年の音響技術を生かした音響メーカーとして、日本電信電話が2021年9月に設立したNTTソノリティ。同社は2022年11月にコンシューマー音響ブランド「nwm(ヌーム)」を発表後、「人と人のコミュニケーションをさらに快適にすること」を目的にエンドユーザーに対して音響デバイスを提供してきた。
一方、今回の新サービスはコンシューマー向けではなく、法人向けのサービスとなる。1月18日の発表会では新サービスで利用できる音漏れを防ぐ次世代トランシーバーの詳細が明かされた。
NTTソノリティがこれまで手掛けてきたnwm(別の名を耳スピ)は、イヤフォンのような形状のデバイスだ。外の音を拾いながら外へ音が漏れないことが、デスクワーカー向けにアピールされてきたが、今回の新サービスはデスクレスワーカー、つまり工事現場や医療現場で働く人に向けて訴求される。
PSZ技術は、ある音波(正相)に対し、180度位相を反転させた波形(逆位相)を重ねることで、音が消える原理を応用する。特殊なハードウェア設計により特定エリアに限定した音を再生でき、耳元に小さなカプセルのような音の空間が生まれる。端的に言えば、耳を完全密閉せずに周囲への音漏れを抑制できるのが大きな特徴となっている。
このPSZが搭載され、新サービスに対応する機器として提供されるのが、音漏れしないイヤフォン型の音響デバイス「BONX intro knot」だ。耳を密閉しない構造であるため、耳への圧迫感や蒸れが少ないという。短時間ながら記者も実際に装着してみたが、一般的なイヤフォンのように耳にはめ込むのではなく、スピーカーの周りにある安定材(円を描くような形の部分)を耳の裏にはめるだけでよいため、耳穴に押し込まなくても相手の声がハッキリと聞き取れた。
自分の話した内容は胸元付近に位置するように設計された小型マイクを通じて相手に届く。
NTTソノリティは「音を仕分けるインテリジェントマイク」も手掛ける。サービス開始時点では提供されないが、2024年秋頃に発売予定の「インテリジェントマイク搭載のマイク付きプッシュトゥトークデバイス(仮名)」の外観が披露された。周囲の雑音をカットし、必要な声だけを相手に届けるのが特徴だ。
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