「iOS 17.3」配信開始 「盗難デバイスの保護」など新機能も追加
Appleは「iOS 17.3」を含む一連のOS更新の配信を開始した。iOSでは「盗難デバイスの保護」やプレイリストの新機能などが追加された。「悪用された可能性のある」ものを含む16件の脆弱性も修正された。
米Appleは1月22日(現地時間)、「iOS 17.3」を含む一連の製品のOSアップデートの配信を開始した。本稿ではiOS 17.3で提供される新機能とセキュリティ関連の更新を紹介する。
なお、セキュリティ関連で古いiPhoneのOS(iOS 15.8.1、iOS 16.7.5)のアップデートも配信している。
「盗難デバイスの保護」
新機能として、「盗難デバイスの保護」が追加された。登録してある自宅や職場、利用頻度の高い場所などから離れた場所での“一部の操作”で、Face IDまたはTouch IDによる生体認証が必要になる。
これにより、iPhoneを盗まれ、パスコードも知られても、キーチェーンに保存したパスワードやパスキーを使われるなど、「アカウントやデバイスに致命的な変更を加えられる事態を阻止できる」としている。
“一部の操作”は以下の通り。
- キーチェーンに保存されているパスワードやパスキーを使う
- Safariに保存されている支払い方法を使う(自動入力)
- 紛失モードを解除する
- すべてのコンテンツと設定を消去する
- 新しいApple Cardを申し込む
- Apple Cardの仮想カード番号を表示する
- ウォレットで特定のApple CashとSavingsのアクション(送金など)を実行する
Apple Payでの購入は、パスコードだけで行える。
「盗難デバイスの保護」を有効にした状態で自宅や職場から離れた場所で以下のような設定変更を行おうとすると、Face IDまたはTouch IDでの認証後、1時間の「セキュリティ遅延」が発生し、1時間後にまたFace IDまたはTouch IDで再認証する必要がある。
- Apple IDのパスワードを変更する
- Apple IDからサインアウトする
- Apple IDアカウントのセキュリティ設定(信頼できるデバイス、復旧キー、復旧用連絡先など)を更新する
- Face IDまたはTouch IDを追加または削除する
- iPhoneのパスコードを変更する
- すべての設定をリセットする
- 「探す」をオフにする
- 「盗難デバイスの保護」をオフにする
面倒そうではあるが、こうした操作を外出先で行うことはあまりないだろう。
「盗難デバイスの保護」は初期設定では無効になっている。有効にするには、Apple IDで2ファクタ認証を使い、iPhoneでデバイスコード、Face ID、Touch ID、「探す」「利用頻度の高い場所」(位置情報サービス)を設定、有効化しておき、[設定]→[Face IDとパスコード]でパスコードを入力し、「盗難デバイスの保護」をタップし、オンに切り替える。
ミュージック
プレイリストに友達を招待できるようになった。招待したメンバー全員が曲の追加、並べかえ、削除を行える。プレイリストのトラックに絵文字のリアクションを追加できる。
黒人歴史月間記念壁紙
ロック画面に黒人歴史月間記念壁紙を追加。
改善点
特定のホテルの客室のテレビにAirPlayでコンテンツを直接ストリーミングできるようになった。
[設定]→[AppleCareと保証]に、自分のApple IDでサインインしているすべての端末の保証範囲を表示できるようになった。
iPhone 14以降のモデルで、衝突事故検出の最適化を行った。
セキュリティ関連
セキュリティ関連では16件の脆弱性が修正された。そのうち、WebKitの脆弱性は「この問題が悪用された可能性があるという報告を認識」しているとしている。
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